動画"> 動画"> 8・15の小樽商大、緑丘戦没者慰霊祭! <A HREF="https://www.otaru-journal.com/news/2005/mov/irei8-15.mpg"><FONT COLOR="#FF0000"><B>動画</B></FONT></A>

8・15の小樽商大、緑丘戦没者慰霊祭! 動画

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 60回目の終戦記念日となった8月15日、国立大学法人小樽商科大学(緑3)で、347名の戦死者を悼む緑丘戦没者慰霊祭が開かれた。
 慰霊祭は,学徒出陣により戦死した学生と、在職中に出征し戦死した教員、合わせて347人の霊を慰めるため,毎年終戦記念日に挙行しているもの。
 白樺の林に囲まれた、同大構内の高台にある緑丘戦没者慰霊塔前には、全国各地から駆けつけた学友や家族ら約130人が集まり、若くして無惨な死を遂げた友に哀悼の想いを捧げた。
 12:00の市役所のサイレンとともに、戦死者の霊に向かって全員で黙祷し、戦死者を偲んだ。
 挨拶に立った秋山義昭学長は、「この慰霊塔には、本学で学び、そして戦地に散った、若い緑丘戦没者347名が眠っております。彼らは勉学の志に燃えて本学に全国から集い、小樽の街を愛し、時には海を見下ろし、この丘の芝生に寝転んで、友と夢を語らい、それぞれの友情を育んでいたでしょう。
 将来の夢を描きつつも、途中で学業を放棄し、戦地に赴かざるを得なかった、若き学徒の無念の胸中を思いやる時、改めて戦争の爪痕の深さを覚えるものです。戦の野に果つるとも、若き命、この丘にとどまりて、消えることなし。友よ、やすらかに眠れ」と結んだ。
 この後、参列者による献花が行われた。すでに80歳になり、杖を突きながらの卒業者が献花する姿に、終戦60年の年月の移り変わりを感じさせた。 
 同大グリークラブと参列者全員で、校歌斉唱し、歌声が静かに小樽市街に流れていった。
 司会を務めた浅原健蔵・緑丘会小樽支部副支部長は、「国立大学で学徒出陣等による慰霊祭を行っているのは、あまり聞かない。学内に慰霊塔を造ったのも、単科大学でありながら、アカデミックで先鋭的なものがあるひとつの証であると思う。戦後60年ということで、参加者が例年の5~6割増しとなって、今年は迫力があった」と語った。
 慰霊塔の前で記念撮影をした、昭和18年の卒業生は、「毎回この行事に参加しているが、小さいのにこれだけの集まりは大変なことだと思う。今回は、約40名の昭和18年卒業の人たちが来ているが、昭和19年、昭和20年とだんだん兵隊の経験をした人たちが少なくなっているし、昭和18年卒業の世代も少なくなっている。しかし、学長は、この行事を次世代に受け継いでいきたいと言ってくれたので、すごくうれしく思い、信じたい。」(昭和18年卒業・札幌市の大津さん)
 「慰霊塔の中に入って仲間の名前が彫ってあって、本当に惜しい、残念と感じた。昭和18年の卒業者の名前が一番多く、その頃のことを思い出すと胸が詰まる。いい男たちが亡くなっていった。」(昭和18年卒業・苫小牧市の宮北さん)と、昔の学友を偲んでいた。
 緑ヶ丘の白樺林の中に緑で囲まれた白い慰霊塔は、デザインも際立っており、塔の内部には、戦死者名が刻まれ、白い菊の花で包まれていた。