サミット見据えテロ対策訓練!小樽勝納ふ頭 

tero.jpg 9月26日(水)午後、海上保安部巡視艇のサイレン、パンパンと乾いた銃声と怒声が、小樽港勝納ふ頭に響き渡った。



 来年開催予定の洞爺湖サミットを見据えた、小樽海上保安部や北海道警察、小樽市港湾部などが一体となった実践的テロ対応訓練が、13:30から勝納ふ頭で繰り広げられた。
 今年で4回目となる「小樽港総合訓練」は、小樽港危機管理担当官・小樽港湾保安委員会の主催。小樽海上保安部、北海道警察本部警備部警防課・同部機動隊・小樽警察署、小樽市港湾部、函館税関小樽税関支署、札幌入国管理局小樽港出張所、北海道開発局小樽港湾事務所、北海道運輸局海上安全環境部の7機関101名が参加した。
 テロ発生時の迅速な情報共有と対応能力の向上を図ることを目的としている。「洞爺湖サミットまで1年となったが、関係機関の情報共有など連携し、対処していかなければならない」(山口晴久海上保安部長)。「平成13年9月11日の米国同時多発テロからソーラス条約が結ばれた。世界各地では、テロ行為が繰り返され、ますます取り組みの強化が求められている」(小樽市・磯谷揚一港湾部長)。
tero.jpg 訓練は、海上と陸上で行われた。海上では、海上保安部が、不審船の立入検査を行ったところ、テロリストらしき不審者が小型船に飛び降りるところに遭遇したとの想定で行われた。小型容疑船は、高速で逃走し、海保の巡視艇「やぐるま」と高速機動艇2艇で追跡しながら停船を求めた。容疑船は、それに従わず逃走を続け、海保は、「停船しないと射撃する」と威嚇したが、容疑船からの発砲があり、海上での銃撃戦となった。パンパンと乾いた銃声が鳴り響き、抵抗した容疑者たちは両手を上げ降参した。
 陸上での訓練は、海上保安部・小樽警察署・札幌入国管理局・函館税関の4機関が、停船中の船舶に立ち入り検査を行ったところ、拳銃が見つかったという想定で行われた。船内に隠れている容疑者を捜索したが、容疑者は走って陸上に逃げ出した。駆けつけたパトカーに逃走経路をふさがれ、追いかけて来た警備隊によって組み伏せられ、逮捕された。迎えに来た仲間の車の中からは、爆弾が見つかり、道警本部の爆発物処理班が出動し、爆弾を処理した。
 海と陸での訓練は、本番さながらの迫力と緊張感が漂っていた。