懸命に遡上する傷だらけのサケ!小樽勝納川 

sake.jpg 10月に入り、秋色に染まり始めた小樽市街を流れる勝納川に、産卵のため懸命に溯上する傷だらけのサケが眺められるようになった。



 勝納川は、市内の奥沢・真栄・勝納地区をぬって流れ、川沿いには酒造元や住宅がびっしり建ち並んでいる。sake1.jpgこの市街地の真ん中を流れる勝納川に、目を凝らしてみると、あちこちに川を溯上するサケの姿が見られ、橋の上から眺める付近住民の姿も多くなっている。
 サケは、北海道・本州北部の川で産卵する。孵化してから5cmほどの大きさで川を下り、3~5年かけて、アラスカのベーリング海まで約8,000kmもの長旅を経て、また生まれた川に溯上し産卵する。産卵期の魚は全長約70~80cmだが、大きいもので90cmを超えるものもある。
sake.jpg 勝納川を遡上するサケたちには、多くの難関が待ち構えている。多くの石や岩、階段水路があり、身を躍らせて傷だらけになりながら、命の営みのために懸命に遡上する。遡上するサケの身体は、水カビで白くなる部分が多くなるが、これは、身体の栄養分がイクラや白子にいくためと言われる。
 10月8・9日の両日の勝納川下流の真栄橋(信香町)では、サケのオスとメスの姿が見られた。川の水は、雨のため濁っていたが、川底には、白く変色したサケが体を寄せ合いながら、上流へ上流へと懸命に遡上し、生命の挑戦を続けている。