なんまら楽しい北海道本発刊!小樽出身エッセイスト


 小樽出身のエッセイスト・千石涼太郎さん(43)の「いんでないかい!!北海道」が12月に発刊され、話題を呼んでいる。
 この本は、普段当たり前に使っている言葉や、知ってるようで知らなかった北海道の食や景色などを紹介し、思わずビックリ・納得・笑わえる一冊となっている。「言葉で感じる北海道」、「景色で実感、北海道」、「心に刻む北海道」、「三大で見る北海道」の4章からなる全198ページ。
 言葉で感じる北海道では、「ありがとうございます」や「いらっしゃいませ」、「お待たせしました」などを、道産子はなんでもかんでも「どうもすみません」というフレーズで済ませてしまうこと。過去形で話すことで敬語のような効果を持たせていること。「おばんでした」、「よろしかったですか」など、「過去形で挨拶できれば一人前?」という。また、「なんも、なんも」と二度繰り返すことなどを紹介している。
 千石さんの目線から選ぶ北海道の三大では、北海道の三名山のひとつに天狗山を選び、三大坂には船見坂と地獄坂のふたつを取り上げている。坂の街・小樽で生まれ坂が好きだという千石さんは、地形や風景の美しさだけでなくネーミングの面白さで選んだと話す。
 これら地元・北海道ならではの魅力満載の「いんでないかい!!北海道」は、千石さんが北海道に立ち寄るたびに取材したものの中から抜粋。読者や知人などから寄せられた情報も使われている。
 千石さんは、市内桜町、銭函、桂岡と転々とし、小学5年生で岩手県、埼玉、東京と住居を移した。現在は、東京都杉並区阿佐ヶ谷に住んでいる。文教大学人間科学部を卒業し、出版社に勤務。1993(平成3)年、退職と同時に文筆活動に入った。2年後、「やっぱり北海道だべさ!!」で単行本デビュー。以来、「県民性の謎」、「県民性交際術」、「なしても北海道だべや!!」など、地方と食と人間性について著作を発表している。北海道愛好者ネットワーク「いんでない会」の会長でもある。
 12月下旬、千石さんは、36年ぶりに北海道での年越しと「いんでないかい!!北海道」のPRのために帰省。小樽市内の各書店を巡り、本の売れ行き状況などをチェックした。
 「最初のページが命がけ。まずは、本を開かせて、面白いと思わせて、買ってもらえるようにしないといけない。札幌の紀伊国屋では、2週間前の週間ランキングで9位になってたり、他の書店では3位にもなっていた」と喜ぶ。
 「北海道の人は、どういうことか知らないで使っている言葉が多いので、これを機会に話題にして欲しい。北海道の人は、あまりにも無防備で、計算高くなく、ものの言い方に気をつけた方が良いと思う。本を読んでもらえれば分かるが、本当に正直すぎる。言葉に少しお化粧した方が良いこともある」と話していた。
 この一冊でなんまら楽しい北海道が改めて分かる。北海道好きの人から道産子まで、一度読んで、いんでないかい。
 「いんでないかい!!北海道」(グラフ社)は、945円+税。市内では、紀伊国屋や丸文、喜久屋書店などで販売されている。
 千石涼太郎HP