市議会会派代表質問、財政・病院問題を質疑


0616.jpg 小樽市議会第2回定例会の会派代表質問が、6月16日(月)13:00、市議会本会議場で行われた。
 会派代表質問に立ったのは、共産党・中島麗子、自民党・大竹秀文の2議員。財政問題と病院問題について質疑が集中した。
nakajima.jpg 中島議員は、「20年度は単年度黒字にできるのか、累積赤字を減少して、連結実質赤字比率は16.7%をクリアできるのか、病院の赤字が一番大きいが、これをどれくらい圧縮すれば連結赤字比率をクリアできるのか」 と質問。
 山田勝麿市長は、「単年度収支の黒字化が必要なので、今後とも歳入の確保、執行経費の削減につとめる。仮に早期健全化の基準を16.7%と試算すると、平成20年度当初予算と比較して、全会計で約4億1,000万円程度の赤字圧縮が必要」 と答弁。
 病院問題では、「平成19年度は、入院外来収益を当初計画より、3億円もダウンさせて達成した。20年度の4月と5月の入院外来収益の結果と、今年度の計画に照らしてどうなのか。20年度の不良債務解消負担分は5億3,7000万円。19年度分3億8,700万円の解消が出来なかった小樽病院の経営で、達成できるのか。20年度予算編成時に予想していなかった医師2人の退職による影響は、2億円減収の見込みというから、医業収益をどのように確保するのか」 と質した。
 「今年4月の入院収益の実績は4億4,700万円となり、目標に対し97%、外来収益は2億2,400万円となり97.2%、5月の実績の入院は4億3,900万円で92.1%、外来は2億4,000万円で101.2%となっている。内科医師1名が大学医局の人事により他の病院へと予定されているが、医師の減員後の確保は大変厳しいものがあるが、その後任の医師を要請するなど、診療体制の確保に努めるが、収支への影響を最小限にする」 と答えた。
 また、「来年度から地方公営企業法の全部適用を予定し、独立行政法人化・非公務員型も視野に入れているというが、実態を承知して新しい経営形態に変更するこということか」 と質問。
 「経営改善のために、地方公営企業法の全部適用を平成21年度に導入することにしている。管理者が、人事・予算等の広範な権限を有することになり、より医療現場に属した経営が可能となり、これによって経営改善が図られ、さらには、市から分離した一つの企業となることから、職員の意識改革になると期待する」 と答弁。
ootake.jpg 大竹議員は、「小樽市民の新病院建設に対する現状意識をどのように捉え、対処しようとしているのか。一つの意見として、市内の公的病院などが補完できない診療科目を有している第2病院の脳神経外科、心臓血管外科、循環器科、市立病院のがん治療の放射線科など、科目を限定したコンパクトな病院建設に方向転換したほうが良いのではという考えがあるが」 と質した。
 「多くの市民のみなさんは、医療環境が整い、安心して利用できる新病院の一日も早い完成を願っていると考えているが、一方で、厳しい市立病院の経営や市の財政状況などで建設費負担に対する不安が多いと思う。今年度策定するプランの中で、まずは現病院の経営効率化や役割を明確にした上で、財政的な理解を求めたい。新病院のコンパクト化については、現在の基本構想では、新病院の地域での役割を明確にするため、脳神経外科、心臓血管外科、循環器科、がん診療の3本柱で、市内で不足している診療科目を担っていく地域完結型を目指している。病床数についても医師の減少を考慮し、現在の医師数をもとに修正をしてきた」 と答えた。
 また、「新病院の建設用地として当初、量徳小学校も上げられたが、学校適正配置計画で白紙撤回され、他の候補地に移らなければなりませんでした。現在では、量徳小学校を候補地として再検討も可能ではないか」 と質問。
 「建設地について、量徳小を建設地の候補にしたのは、新病院の規模と駐車場のスペースが確保出来る広さがあることや市有地であること、交通の利便性が優れていることだが、候補地を再検討してはどうかということですが、現状では築港地区しかないものと考えている」 と、相変らずの能天気な答弁に終始した。
 17日(火)は、公明党・千葉美幸、民主市民連合・山口保、平成会・吹田友三郎の3議員が会派代表質問に立つ。