市内焼肉店で食中毒 大学生9人が腹痛・下痢


 小樽市保健所(富岡1)は、8日(月)、市内焼肉店「金太」(花園3-2-12)で、カンピロバクター・ジェジュニによる食中毒が発生したと発表した。
 3日(水)、市内の大学生から「8月29日(金)にサークル仲間で市内の飲食店を利用したところ、7~8名が腹痛、下痢、発熱等の食中毒様症状を呈した」と、同所に連絡があった。
 このため、同所が調査したところ、8月29日(金)に「金太」を利用した12名中9名(男5・女4)が、腹痛、下痢、発熱等の食中毒様症状を呈したことが分かった。有症者の共通食が、当該店の食事のみであることと、有症者4名の便からカンピロバクター・ジェジュニが検出され、有症者の症状が同物質によるものと一致することから、同店を原因施設とする食中毒事件と断定した。
 有症者のうち4名が通院し、潜伏時間は、最短14時間30分、最長91時間30分、平均43時間10分となった。現在、患者の症状はほぼ回復しているという。
 同所は、食品衛生法第55条に基づき、同店に対して、9月8日(月)から9月10日(水)までの3日間の営業停止を命じ、施設の清掃消毒・調理器具類の洗浄消毒・従事者の手指の洗浄消毒などを徹底するよう指示した。なお、同店は、4日(木)から営業を自粛している。
 今回の食中毒の原因となったカンピロバクターとは、家畜やペットなどあらゆる動物に分布しており、特にニワトリの保菌率は高く、50~80%と言われている。同物質による食中毒は、全国で約420件(平成19年)発生している。食肉を十分に加熱しないで食べた場合に発生することがあり、食用水の細菌汚染が原因となった場合は、大規模な事例となることもあるという。