投書が暴いた!行政と政党会派の”たかりと癒着構造”


 小樽ジャーナルに届いた12月12日付の一通の投書が、小樽市の行政と市議会政党会派のたかりと癒着構造をくっきりと暴いて見せた。
 投書によると、「市議会の会派から、例年通りにカンパをよこせという手紙が家に送られてきました。課長職3千円、次長職6千円、部長職1万円と額指定のカンパです。私も家内も唖然としました。各家庭の経済状態は自分たちが議決した給与条例だから十分に解っているはずなのに『ここまでするのか?』と、怒りが収まりません・・・。この程度のことも阻止できずに、自分から率先して支払っている小樽市役所の上層部にもあきれ返ります。まさに、たかりと癒着の構造が未だに存在しているのです」
 「去年、一昨年は、何とか支払いました。払わなかったら、チンプンカンプンな質問をされたり、資料を求められたりと虐められるわけですから、払わない訳にいきません。今年は、たとえ3000円でも、共産党を含めると6000円ですから、払う気なんてありませんが、後々のことを考えると・・・、などと迷っております」
 「このような、市議会議員の暴力団まがいの体質は許せませんし、市民の方々には『市会議員って、皆さまの税金から支払われている市職員の給料にたかって格好つけているだけ』ということを知っていただきたいと思います」
 「私は、格好ばかり付け、市民のことは全く考えもしない、不甲斐ない市議会議員に、このようなお金を寄付するくらいなら、その分の給料をカットしていただくか、あるいは、市役所に寄附した方がいいのではと思っております」と記されていた。
 早速、取材をしてみると、確かに自民党小樽支部が、賛助金集めをしていることが分かった。
 自民党小樽支部・横田久俊幹事長(市議会議員)は、「市職員に対して夏と冬の2回のボーナスに併せて、賛助会員として賛助金を要請してきた。幹部職宛に手紙を郵送し、目安として金額を指定して行ってきた。幹部職員や一般市民などからの賛助金は年間120万円に上っている。今年からは、冬のボーナスの1回だけに減らし、60万円を予定している。政党と職員の間で本当は良くないかもしれないが、今までもずっとやってきた。自民党頑張れと応援してくれる人からもらっている。ちょっとプレッシャーになるかもしれないが、よこせということではない。支部運営のために使っている」と、事実を認めた。
 また、民主党・市民連合小樽市議会議員会・斎藤博行幹事長は、「民主党4区支部では、市長・副市長から8,000円ずつ、部長会15,000円、課長会15,000円、係長会10,000円の計5口56,000円を集めているが、個人からカンパをとるようなことはやっていない」と話した。
 公明党小樽市議会議員団・高橋克幸副団長は、「市の幹部職員にカンパなんてそんな可哀そうなことをしているのか。初耳だ。個人個人での付き合いで協力してもらうことはあるが、幹部職員に特定してカンパを要請することはない。給料下がっているのに可哀そう」と同情的だ。
 共産党小樽市議会議会議員団・北野義紀団長は、「議員団で幹部職に対してカンパを要請することはない。一般的に党員の人が、市民に募金を呼びかけることはあるが、特定の職員に要請することはない」という。
 平成会・大橋一弘会長は、「市の職員にカンパを要請したことはない」としている。
 この市議会政党会派のカンパ要請に対し、市職員は、「年1回のカンパよりも、政党新聞を取らされる方が辛い」、「ボーナスが出たからといっても、3,000円でも重みに感じる」、「政党新聞も確かに勉強になるけれど、市役所に1部あれば良い」、「経済的に苦しい。最近は特に」と、悲鳴が上がる。
 山崎範夫総務部長は、「各個人で判断しているので、出すこともあれば出さないこともある。政党だから色々な人のカンパで成り立っている。10~20年前に色々揉めたこともあったし、この時代には結構な負担になる。市役所で仕事をしているので、政党新聞も勉強になるので、60歳までは取ろうと思う」。
 山田厚副市長は、「カンパの要請で困ったことはない。出せなければまけてもらう」と答えた。
 今回の投書で明らかになったのは、市議会政党会派の驕りと質問権を背景に市幹部職にたかる癒着構造だ。
 議会は、執行機関(行政)に対する監視機関としての役割が課せられており、行政をチェックすることが重要な任務だ。しかし、チェックする相手方から金をもらっているのでは、市議会での質問や議決にまで疑問符がつくことになる。