固定資産税滞納額25.9億円に 大半は「小樽ベイシティ開発(OBC)」


 小樽市の2008(平成20)年度決算が発表され、市の固定資産税滞納額は、昨年度より約2億円増え、25億9,964万円に上ることが分かった。
 固定資産税は、土地や家屋などに課せられる地方税のひとつ。市の固定資産税の収入未済額(滞納額)は年々増加しており、市財政の悪化の一因ともなっている。
 市は、この滞納額の大半は、大型施設のものによるとしている。築港地区にある大型商業施設「ウィングベイ小樽」を所有・運営する株式会社小樽ベイシティ開発(OBC・中村憲正代表取締役)が滞納しており、2008(平成20)年4月時点では、約15億円もあった。
 市は、納税計画を立てて、計画通りに納めてもらっているとしているが、市議会議員は、「計画通りといっても、その半分ぐらいしか納めてないと思うので、実際の滞納額は減っていないだろう」と指摘する。
 同施設がマイカル小樽としてオープンした1999(平成11)年度では、市の固定資産税滞納額は7億3,353万231円だったが、これが2003(平成15)年度に15億8,211万6,713円に倍増し、2007(平成19)年度には23億9,218万7,067円に膨らんだ。今回明らかになった2008(平成20)年度決算では、2007(平成19)年度よりも2億円増え、25億9,964万5,469円となった。
 市は、2008(平成20)年度決算で、多目的基金や他会計からの借入れ、職員給与のカットなどで、2007(平成19)年度決算での12億9,700万円の赤字を、6億5,948万円に圧縮したとしている。この固定資産税滞納額の25億9,964万5,469円を徴収出来れば、ある程度、市財政に寄与することになるが、その見通しは全くついていない。
 「OBCは、空き店舗を抱え借金もあって,この滞納分を支払うことは出来ない。あの施設を造ることを推進したのは、小樽市なのだから、固定資産税が入ってこないのは、自業自得だ」と、市内の商店主は話している。
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