病院や経済問題を質疑 市議会代表質問2日目


 小樽市議会第1回定例会の会派代表質問の2日目が、3月2日(火)に行われた。3会派の代表者が質問に立った。
 公明党・高橋克幸議員は、病院問題で、「現在でも市立病院の不要論や担っている役割りがあまり理解されていない市民が少なくない。もし仮に市立病院が廃院になった場合、現在、通院、入院している患者も含め、小樽市の医療環境にどのような影響があるか」と質問。
 病院局・並木昭義局長は、「仮に市立病院が廃院になった場合、脳卒中や心筋梗塞など一刻を争う重症患者の診療、救急医療などが行えなくなり、大きな影響を及ぼす。市立病院の受入れ患者数は、市内公的病院とあわせた中でも、入院4割、外来5割と多くを占めており、他の病院の受入れが限界であり、市立病院でなければ診療を出来ない患者さんもいる。その多くは札幌圏への受診が余儀なくされる。高齢者の多い本市には、患者さんはもとより家族にも肉体的、経済的にも負担になる。不要論ですが、市立病院しか出来ない機能があり、小樽市と後志医療圏に必要不可欠な病院。両病院の統合で、機能をさらに活かし、地域住民に質の高い医療を提供出来ると考えている」と述べた。
 また、旧国鉄手宮線の活用について、「どのようなイメージで整備するのか」と質した。
 山田勝麿市長は、「文学館・美術館の駐車場は、隣接する旧手宮線と一体的に活用するため、ポプラの木を伐採するほか、塀は一部を残して撤去し、駐車場は建物の港側に移設し、雪あかりの路や、がらす市などのイベントに利用できるような開放的な公的広場として整備したい。旧色内ステーションの設置は、往時の色内駅をモチーフとし、手宮線の歴史を紹介したり、ベンチを備えた休憩スペースを設置し、中心市街地に新たな魅力が創設されると考えている。
 山側の古い建物は、一部は飲食店として利用されているが、中には倒壊し、景観を阻害しているものもある。倒壊したものなど個人の財産管理は、個人の責任で撤去するものであり、市が撤去する対応は困難。権利者に必要な対応をするよう要望したが、未だ対応されていない。今後整備するにあたり、沿線の土地を有効活用するため、モデルプランを策定し、民間による再開発を進めたい」と答えた。
 民主市民連合・佐々木勝利議員は、環境保全について、「環境基本計画の進捗と見通しは」と質問。
 市長は、「パブリックコメントの意見をとりまとめ、次回の委員会で意見を含めて検討し、第2回定例会に議案を提案したい」と答弁した。
 平成会・大橋一弘議員は、市内経済について、「かつて第3号ふ頭を国際コンベンションセンターを有する客船用ふ頭とする意識はあったが、その姿勢は将来にわたり大切にすべきと思う。第3号ふ頭基部の倉庫所有者は、株式政策投資銀行から小樽倉庫事業協働組合に移り、社長も元市助役の山田氏となった。周辺の市営上屋9棟は開発ふ頭が使用している。空けた上屋を利用して客の歓迎や市民のイベントを出来るようにすれば、市民の楽しめる港に一歩近づくと思うが」と質問。
 市長は、「第3号ふ頭を客船専用ふ頭にするとのことですが、平成19年に策定した小樽港将来ビジョンでは、生活交流ゾーンの中に位置づけている。ふ頭内4 棟の上屋のうち、3棟を飼料保管場所に使用しており、現時点で代替地を確保できず、移転は難しいと思う。しかし、近年、客船の入港が増えており、第3号ふ頭の環境整備は重要な課題と思っており、当面の事業は、利用者と十分協議を行い、理解を得るところであります」と答弁。
 サンモール一番街商店街について、「旧丸井今井小樽店の建物の再開発に進展が見られないが、不動産業界のこの不況では、デベロッパーも早急に動けないことが予想される。現況のままですと、建物の劣化が心配されており、外壁の一部破損も見られる。特にホテル部分は永年補修も満足にしていないので、老朽化がひどく、使用出来ないのではと指摘する建築関連業者もある」と質問した。
 市長は、「丸井今井小樽店とグランドホテル棟が平成2年、アネックス棟が翌年3年に竣工し、築後20年が経過している。この間、管理会社の小樽開発が維持管理しているが、必要最小限の補修にとどまっており、大規模な補修はされていないことから、再活用には、相当程度の改修工事が必要。一昨年秋以降交渉していたデベロッパーとの交渉は、現在されていないと聞いている」とした。
 この日、昼食後の午後1時に開かれた会派代表質問では、本会議場に強い陽が差し込んでいた。高橋議員の質問に対し、市長は、1時間10分にわたり、ただひたすら一本調子の早口で原稿を棒読みし続けた。これが子守唄のように聞こえたのか、強い日差しで暖かくなった議場で”コックリ”する議員の姿が散見された。関連記事