若い力で演劇盛り上げ 「げきだん 青い空」


aoisora1.jpg 「お父さんの最後の言葉はどれだけ大事か」。「453席の人に、表情や、どのように立っているかを伝えるように」。演出の掛け声が、小樽市勤労青少年ホーム (緑1)に響き渡る。
 劇団うみねこ代表の吉川勝彦さんが、「小樽の演劇を盛り上げたい」と音頭をとり、市民劇団「げきだん青い空」(松下由佳代表)を結成。6月5日(土)の本番に向けて、目下、練習に励んでいる。
 同劇団の結成は、元高校演劇部員と吉川さんらが、昨年9月に行われたテアトロ浅草橋の市民劇「赤い運河」で再会したことがきっかけ。 関連記事
 市内では、かつて高校演劇が盛んだったが、現在は、生徒数の減少などもあり、盛り上がりはない。このため、「若い力をバックアップし、後押しをしたい」と、大学生・高校生を中心に、小中学生などにも参加を呼びかけ、約50人の市民を集めた。
 演じる作品は、第二次世界大戦の沖縄地上戦を描いた「さとうきび畑の唄」(主演:明石家さんま)を原作とした創作劇「この青い空の下で」(二幕全17 景)。明峰高OB・潮陵生・商大OB・桜陽生などが中心となり、日本国内で唯一住民をまきこんだ戦場・沖縄で生きた家族の”笑顔の物語”を演じる。
aoisora2.jpg 市民たちは、週4日、勤労青少年ホームに集まり、各シーンごとの練習を重ねている。稽古場には、若い役者たちの熱気が広がる。「倒れる時はお客さんの方に見えるように」。「これは残酷な場面」。「個々の辛さだけが一人立ちしている」。演出の吉川さんの掛け声が響く。
 鎌田今日子副団長は、「第二次世界大戦が、時代劇のように風化して欲しくないので、これを演じることで、若い子たちに戦争を考えてもらいたい。当日来てくれた小樽の人たちには、子供たちが頑張っているところを見てもらいたい」と話している。
 5月11日(火)19:00からは、公開リハーサルを行い、子供たちの熱心な練習風景を披露する。この後、意見交流も行う予定。
 「この青い空の下で~さとうきび畑の唄より」は、6月5日(土)13:30・18:30の2回。小樽市民センター・マリンホール(色内2)。前売:一般 1,500円(当日2,000円)、中高生800円(1,300円)、小学生300円(同額)。
 問合せ:090-2077-1158(松下)、080-3293-9860(鎌田)