平行線のPTAと市教委 量徳小で学校再編懇談会


ryoutokukondankai.jpg 小樽市教育委員会の「小樽市立小中学校 学校再編についての地区別懇談会」が、6月25日(金)18:30から、量徳小学校(若松1)で開かれた。
 量徳小学校は、新病院の建設予定地として再び浮上。小樽市は、2012(平成24)年3月までに閉校する方針を固め、市議会第2回定例会に、基本設計費の予算を計上、すでに議会の議決を得ている。
 市教委では、市内を6地区ブロックに分け、2010(平成22)年度から2024(平成36)年度までの15年間という長い期間で学校再編を行う。市内41小中学校(小学校27・中学校14)を、21小中学校(小学校13・中学校8)に半減させる。
 しかし、市では、新病院の建設予定地となっている量徳小学校を2012(平成24)年3月に閉校させるため、この南小樽ブロックではたった2年間で学校再編させる。現在、量徳、若竹の2校は、潮見台小に統合することが望ましいという見解を示している。
 同校ではこれまで6回の説明会・懇談会が開催されてきたが、PTAや地域住民からは、「結局、私たちの意見は通らない」、「今まで話をしてきたのは無駄だったのか」と、不満の声が上がっていた。
 この日の懇談会でも、「統合の時期は、地区の方々や保護者との協議の上、決めるとしているが、平成24年4月の工事着手ということを、我々と協議している段階で決めるのはおかしいのでは」。「説明会、懇談会を重ねたと言っているが、意見を言ったら、それはあなたの意見でしょと言われた。それは懇談会になっているのか」。
 「病院と学校は関係ありませんと言っていたのに、ころっと態度が変わって、病院が建つから理解して欲しいと言っている」。「再編プランに反対ではなく、教育委員会の目が、市長と病院局長に行っているだけで、子供に目が向けられていない」。「ここの地区だけ1~2年でやるのはおかしい」。
 「我々は納得いってない。議論を重ねず、ただ説明をしましたということになっている」。「懇談会は、議論して、お互いの思っているところを参考にして反映させるもの。最初から話は聞かされるが、意見を言っても反映されず、ただ24年4月に統合が決まりましたと言われるだけ」。
 「何回も説明会や懇談会があっても、同じ説明、我々の意見を聞いた上での肉付けはない。意見反映が全くない。説明会は無駄」。「病院を建てて、人口が減っても高齢者が多いから大丈夫と言っているが、人口が減るということは稼ぐ人がいないのだから崩壊する。高齢者施設のような病院なら山奥に建てればいい」など厳しい意見が次々に出された。
 これに対し、市教委は、「期限があるのは、新病院問題があるので特殊事情でご理解を」。「懇談会の数を重ね、理解を得られるよう努力している」と、新病院のための閉校に理解を求めるのに終始し、双方の議論は平行線を辿った。
 また、新病院建設のために2012(平成24)年3月での早期閉校が決まってしまった同校での懇談会なのに、病院に関する質問が出ると、「今日は学校再編のことを説明する会」、「担当者がいないので分からない」、「病院は病院で説明会をやった方が良い」など、参加者には満足のいく回答が出されなかった。
 懇談会は、PTAや地域住民から質問を受けた後に、司会者が一度意見をまとめてから、市教委の担当職員が回答する手法をとっているが、司会者は、参加者から質問を受けると、「興味というのは関心ということか」、「その拍手はどういう意味か」と、揚げ足を取ることが多くあり、参加者から不満が募っていた。
 量徳小PTAでは、「市教委の説明内容があまりにお粗末な上、各校でいろいろと食い違う点があったりなど、とても納得出来るものとは言い難い」として、再編プランに関する委員会を設立。市教委宛に、質問と要望をまとめた文書を提出。市教委は、同小での懇談会前日の24日(木)に回答していた。
 その回答にも議論が及び、「教科書のような回答」、「病院建設が白紙になることは考えておりませんと言っているが、本当に100%建つのか」などの指摘が出されていた。
 懇談会は、20:30の終了予定だったが、この日は予定を大幅に超え、終了したのは22:00だった。
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