道内初 ヒートポンプで排水再利用 北海道ワイン


 北海道ワイン株式会社(朝里川温泉1・嶌村彰禧代表取締役社長)は、道内ワイン製造企業として初めて北海道電力株式会社(札幌・佐藤佳孝取締役社長)のヒートポンプ技術を導入し、排水の再利用でエネルギー使用量とCO2排出量の削減を行い、環境保全につなげたいとしている。
 同社は、1974(昭和48)年に設立したワイン製造業。「第8回国産ワインコンクール」で、同社の2品が北海道の赤ワインとして初めて銀賞を受賞した。資本金4億4,689万円(2009年8月31日現在)。社員数79名。
 ワイン製造で、醗酵作業の際に、ワインを15℃程度の適温に保つため、約10℃の地下水を汲み上げ、40本のワインタンク(1本・2万リットル)の上からシャワーのように常時吹きかけている。1日に使用する地下水は約400トン。
 今回、環境保全を目的に、ヒートポンプシステムを導入し、これまで垂れ流ししていたこのワインタンクの冷却用水を、機器洗浄用温水と事務所の冷暖房に再利用することにした。ヒートポンプとは、水や空気などの低温の物体から熱を移動させる装置。冷暖房やエアコンなどに用いられる技術。
 この排水の再利用によって、年間のエネルギー使用量は約343klから約48kl・14%の削減、CO2排出量は約575tonから約92ton・16%の削減を見込んでいる。総工事費7,000万円。来週から工事を行い、2011(平成23)年1月末に竣工を予定している。
 北海道ワイン・古川準三製造長は、「省エネとCO2の削減で環境保全につなげ、社会貢献したい。導入後のデータをもとに、全国300社のワイナリーや農業にも推進していければと思っている。いつオイルショックがあるのか分からないので、そのための対策でもある」としている。