心臓血管外科医1人退職 並木局長「予断を許さない状況」


 小樽市立脳・循環器・こころの医療センター(長橋3・旧第二病院)の心臓血管外科の医師1人が、10月末で退職していたことが、12月6日(月)に開かれた小樽市議会第4回定例会の会派代表質問で分かった。
 医療センターは、これまで、医師の退職も少なく、市立小樽病院(若松1)と比べ、安定的に収益を確保してきた。昨年度までは、せっかく前年比プラスを確保しても、小樽病院が足を引っ張り、市立2病院トータルではマイナス数字となっていた。関連記事
 今年度に入り、入院患者数が増えたことと診療報酬がプラス改定となったことで、小樽病院も医療センターとともに前年度を上回る数字が毎月続いている。しかし、小樽病院では、8月末に内科医師が1人退職したことから、9月は8月と比べ、収益6,792万円、患者数1,614人減少し、下半期の収益の推移が懸念されている。関連記事
 今度は、医療センターで、10月末に心臓血管外科・藤澤康聡医師が、市内で開業するために退職した。同センターでは、「確実な数字ではないが、心臓血管外科の入院外来収益は、平均すると5,000万円ぐらい」としている。医師確保は厳しい状況で、今後の経営に影響を及ぼすことになる。
 市病院局の並木昭義局長は、「現時点での病院の診療収入ですが、今年度は前年度よりも医師数が増加したこと、新病院建設に向けて今後の収支改善が特に重要であることを医師はじめ職員が強く自覚して頑張っている効果があって、入院外来収益は4月当初から順調に推移してきておりました。9月に多少の落ち込みがありましたが、10月累計は入院外来合計で前年度実績を1億8,000万円程度上回っています。しかしながら、10月末で心臓血管外科の医師1名が退職するなど、予断を許さない状況もありますので、再度、私から、医師を含め病院職員に対し、現在どういう問題を抱えているか説明し、収支改善についての取組みを指導しています」と、鈴木喜明議員(自民党)の代表質問に答弁した。
 藤澤医師は、11月1日(月)から、嘱託医師として、週1回、同センターでのオペ等の手伝いと当直業務を行っている。