未明の開票作業で選管のミス発覚 開票立会人が指摘


kaihyou1.jpg 4月24日(日)投開票の小樽市議会選挙の開票結果の確定は、午前4時8分までずれ込んだが、この開票作業を監視していた開票立会人が、自らチェックしている100票の束の中に、他候補の一票が紛れ込んでいたことを指摘し、選挙管理委員会の重大ミスが発覚した。
 開票立会人は、開票事務の執行に立ち会い、公正に行われるよう監視する。具体的には、開票手続きの立ち会いや、投票の効力の決定に際しての意見陳述などを行うとされている。原則として、候補者等が各開票区の選挙人名簿に登録された者の中から本人の承諾を得て1人を定め、選挙管理委員会に届け出る。その人数は10人以内。
 今回の開票立会人の希望者が10人を超えたため、抽選により選定さた8人が、この日の開票作業を見守っていた。作業は深夜に及んだが、疑問票の認定を巡り、開票立会人から意見陳述が出て、確認作業は遅れていた。
 この過程で、立会人の一人が、回ってきた100票の束の中に、他候補の票が混入していることを発見し、係員に申し出た。「おぬき元」候補の100票の束の中に、「あんざい哲也」候補の一票が混入していたことが発覚。二重三重にチェックした選管の票の確認作業の杜撰さが明らかになった。
 選管は午前1時30分に、「あんざい哲也」候補に一票を加え、「おぬき元」候補の一票を減ずる訂正を出した。結局、「おぬき元」候補は、最下位当選で、次点との差はわずか4票だっただけに、選管の二重三重のチェックの甘さが浮き彫りになり、他の票のチェックは、本当に大丈夫なのかの疑念をも抱かせかねない事態となった。
 選管の小笠原次長は、「完全な私共のミスで、今後もう一度、体制を見直していかなければならないと話し合っているところです。票のチェック作業は、二重三重の点検を行っているが、今回、他候補の票が混入していた事実があったもので、申し訳がない。再発防止のために、体制の見直しを行う」としている。
 ミスを指摘した立会人は、「急げ急げと係員に急かされながら、回ってきた票の束をペラペラと慎重にチェックしていたら、ひらがな名の違っている候補者名が一票混ざっていた。びっくりして係員に申し出ると、慌てて対応していた。有権者の貴重な1票が、投票しなかった他候補の票に混ざっていることなど、有ってはならないミス。立会人としてこれをチェックすることが出来て、いい経験をさせてもらった」 と話している。
 開票立会人は、ほとんどが初体験の人が多く、ブログ等でもその体験記が多数掲載されている。初体験の立会人が、69,000票の中から混入していた一票を見つけるのは、至難の業だ。混入していた一票が見つかったことで、作業はより慎重にならざるを得なくなり、有効票の確定に時間がかかった。
 結局、立会人が投票用紙の入った段ボール箱に最後の押印をして、開票所から解放されたのは、早朝4時50分のことで、夜は白々と明けていた。