4期連続据え置き しりべし経済レポート


 財務省北海道財務局小樽出張所(久保喜幸所長)は、「しりべし経済レポート Vol.62」(平成24年2月発行)をまとめ、2月17日(金)に発表した。
 消費では、主要小売店売上動向(23年10月〜12月)をみると、飲食料品は前年を下回るが、厳しい冷え込みが続き、冬物衣料や発熱下着が好調であったことから、前年を0.6%上回った。新車登録台数動向は、エコカー補助金制度終了(22年9月)に伴う反動が解消され、前年を30.1%上回り、エコカー減税の延長やエコカー補助金復活で増加基調に推移。
 観光では、主要観光施設の入込客数は、道内観光客や外国人観光客の伸び悩みから、前年を3.0%下回った。依然として一部の外国人観光客の戻りが鈍い状態。
 住宅建設では、新設住宅着工戸数は、集合住宅の増加から前年を大幅の51.5%上回り、賃貸、持家とも前年を上回った。
 漁業動向をみると、ホッケ、スケソウダラ等が減少したことから、水揚量20.0%減少し、水揚金額も減少した。
 貿易は、貿易動向を輸出入価額でみると、輸出は、中国向けの「魚介類・同調製品」やロシア向けの「自動車」が低迷し、19.3%下回った。輸入は、アメリカからの小麦や中国からの「機械・機器類」、ロシアからの「魚介類」、アメリカ、デンマークからの「肉類」が好調で37.8%上回った。
 金融は、資金需要動向をみると、管内金融機関の貸出金残高は、設備資金、運転資金ともに低調で前年を2.1%下回った。貸出特定平均金利は、前月比で0.015ポイント低下し、1.996%となった。統計を取り始めて以来、初めて2%を割っている。
 前年と比べ増加しているものは、消費の中の主要小売店売上げ、新車登録台数、住宅着工戸数、貿易では輸入、有効求人倍率。企業倒産では、件数、負債総額とも前年を下回ったことで増加に入る。減少しているものは、観光、公共工事、生産、貿易の輸出、漁業などがある。
 総括として、①消費は、新車登録台数は前年を大幅に上回っているが、主要小売店売上げ高のプラスが縮小してきている。②観光は、震災発生後主要観光入込数が大幅に下回っており、回復に向けた力が弱まっている。③住宅建設では、マイナスから反転し大幅に増加をしている。④漁業では、水揚量・水揚高ともに減少となる。
 同レポートでは、管内経済概要を前期と同じ「一部に弱い動きがあるものの、緩やかな持ち直しの動きが続いている」とし、4期連続の据え置き判断となった。
 財務省北海道財務局小樽出張所
  しりべし経済レポート