第9回北海道ポリテックビジョン開催


 第9回北海道ポリテックビジョンが、2月17日(金)から18日(土)まで、北海道職業能力開発大学校(日野光兀校長・銭函3)で開かれた。
 道内の物づくりに関連している学校や企業、教育機関が集まり、物づくりの良さをPRしていくイベントで、「目指そうエコロジー&エネルギーものづくり」をテーマにしている。

 本校専門課程と応用課程の開発課題として研究した成果22作品を展示し、1件5分間のプレゼンテーションが行われた。
 チタンを使った自転車フレームを製作発表したのは、同校専門課程生産技術科の宮本直樹さんと山本秀貴さん。
 「エコブームにより自転車を考えた。通勤やレジャーに使われている自転車を、軽量難削材であるチタンを使い製作した。チタンの加工は難しく溶接技術が求められる。ペダルの接合部分に注意し、工夫しながら製作した」と話した。
 遠隔操作型除雪作業用ロボット「YUKIATSU」の開発をしたのは、同校応用課程生産システム技術系Cチーム。
 積雪量が多い地域では除雪は大変な作業であり、除雪作業が少しでも楽になるようにと、温かい室内から遠隔操作で作業ができるロボットを開発した。
 会場には、道立高等技術専門学院4校と北海道障害者職業能力開発校、北海道中央コンピュータ・カレッジによる12点の製作作品も展示。
 道立旭川高等技術専門学院色彩デザイン科では、板金塗装法を用いたFRP(繊維強化プラスチック)及びライテックス工法によるオブジェの制作や、絵本作家阿部弘士さんの「エゾオオカミ物語」のワンシーンを再現した。FRP工法で施工することで、大勢でステージに上がっても壊れることのない記念写真撮影用ステージを発表し、来場者は写真撮影を楽しんでいた。
 道立帯広高等技術専門学院金属加工科は、硬いイメージを持つ鋼を、いかに柔らかく表現できるかを、影絵のモニュメントにして展示した。
 北海道経済部労働局人材育成課研究開発グループ・大澤陽介職業訓練専門員は、「震災後原子力の問題が高まり、環境に優しいエネルギーづくりをテーマとして考えた。同じものづくりを目指している人たちが集まり、1人1人が設計をし、自分の腕を使ったものづくりに挑戦した展示」と話す。
 また、北海製罐株式会社や極東高分子株式会社など19社による地元企業の事業紹介と製品を展示した地域企業展も同時に開かれた。北海道職人義塾大学校は、「落款(手彫りはんこ)」・「キャンドルづくり」の体験コーナーを設け、30名以上が参加し、ものづくりを楽しんでいた。
 15:30より、総合的に最も優れた作品に与えられるものづくり大賞が発表され、同校応用課程建築施工システム技術科の「再生可能エネルギーを利用して持続可能性を高めた『500W住宅』の開発」が選ばれた。
 見学に来ていた同校生産技術科2年の山本大悟さんと武内優介さんは、「いろいろな機械に加工されているものが多く、クオリティが高い。自分たちは、今回、製作中で未完成なので参加していない。才能がものをいう。センスや技術、いろいろなものが求められ難しい」と話していた。