『チェルノブイリ・ハート』上映会 原発の恐ろしさ認識


Chernobyl'heart.jpg チェルノブイリ原発事故の子どもたちへの影響を収めたドキュメンタリー映画「チェルノブイリ・ハート」の上映会が、3月29日(木)14:00からと18:00からの2回、小樽市生涯学習プラザ(富岡1・レピオ)で開かれた。
 主催は「チェルノブイリ・ハート」上映実行委員会(構成団体:後志平和運動フォーラム小樽連絡会、原発いらない小樽市民の輪、小樽・子どもの環境を考える親の会、生活クラブ生協・小樽支部)。
 同時に、脱原発を実現し、自然エネルギー中心の社会を求める全国署名と、泊原発1.2号機の再稼動中止を求める署名も行われた。14:00の上映会には90名が参加した。
 「チェルノブイリ・ハート」とは、変形した心臓を持つ子どもや生まれつき重度の疾患を持つ子どもを意味する。昨年8月に日本で上映され始め、後志管内では3月上旬から、それぞれの地域で地元の団体グループが中心となって順次上映し、話題となっている。
Chernobyl'heart1.jpg 1986年4月26日、旧ソビエト連邦のチェルノブイリ原子力発電所で爆発事故が起こった。その16年後の2002年に、チェルノブイリから80km離れたベラルーシで撮影された。
 ベラルーシでは、健常な子どもは、15〜20%の確立でしか生まれていない。事故以来明らかに障害児が増え、免疫力が弱い子どもが多く、骨髄損傷、脳性マヒ、栄養失調、障害児発生率は25倍となった。
 ゴメリ市では、事故後、甲状腺ガンが多く、目に見えなくても、遺伝子を損傷した子ども、免疫力が低下している子どもが多い。遺棄乳児院の様子も映し出され、水頭症が増え、悲劇は続く。300人の子どもに心臓の手術が必要で、今もなお600万人近くが汚染地区に住んでいる。「ホワイト・ホース」を引き続き上映し、1人の青年が、事故発生から20年後に故郷を訪れた様子の内容である。
 原発の恐ろしさを改めて認識し、安全で安心できる社会を求める意識を高める良い機会となった。
 市内女性は「チェルノブイリが気になりテレビでも見たことがある。15〜16年後は、日本もどうなっているのか不安になった。子どもへの影響が恐ろしい。泊で起こったら、小樽はどうなるか、そう考えると恐ろしい」と話していた。