小樽の海の風物詩蜃気楼"高島おばけ"初観測


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 小樽の海の春の風物詩となっている上位蜃気楼の「高島おばけ」が、今年も蜃気楼の季節を迎えた4月21日(土)に初観測した。
 撮影に成功したのは、札幌在住の金子和真さん。金子さんは、気象予報士で蜃気楼予報のHPを開設し、道内の蜃気楼発生期待度を、4月から7月までの毎日を予測し、発表している。期待度20%以上の場合は、北海道・東北蜃気楼研究会(大鐘卓哉会長)と小樽市総合博物館が、2010年に協力して立ち上げた「石狩湾蜃気楼情報ネットワーク」の登録者へ、メーリングリストで発信している。蜃気楼愛好家には、大変役立つ情報源となっている。
 今年も4月1日から始まり、石狩湾エリアでの蜃気楼期待度を、12日に10%、14日と15日に20%と予想していた。初蜃気楼が待ち遠しい中、21日には20%の予報。さらに、当日の朝の気温と風の状況から、同博物館大鐘学芸員が30%に訂正し、より一層の期待が高まる日となった。
 金子さんは、ウイングベイ付近で観測していた。海上では、予想に反し風が強く、蜃気楼は無理と判断して、観測を断念し帰宅した愛好家もいたが、金子さんは粘り強く観測を続けた。夕方には波も穏やかになり、蜃気楼の条件が揃い、見事に今シーズン初めての蜃気楼の観測撮影に成功した。
 「21日は晴れて午後から気温が高くなるのが予想されたことに加えて、仕事が休みだったこともあり、観測に出かけました。最初(午後2:00~3:00頃)は、風が強く無理かなと思いましたが、夕方4:30頃に双眼鏡で見るとタンクが少し縮んでいたので、粘っていると次第に付近の伸びが確認できました。規模は、小から中の間の規模だと思います。ウイングベイから見て新港方向以外は、蜃気楼化していませんでした。夕方から発生するパターンもありますので、根気が好運を呼ぶものだと感じました」(金子さん)と観測の喜びを話した。
 今年度は、石狩湾蜃気楼情報Facebookや、小樽市総合博物館の蜃気楼のホームページが開設された。
 同館大鐘学芸員は、「やっと蜃気楼シーズンが来て、これからも多くの人々に蜃気楼を観測してもらいたい。ますます、高島おばけへの関心が高まる事を期待している」と話している。