『高島おばけ』 今季初の大規模蜃気楼観測


大規模な上位蜃気楼「高島おばけ」が、4月28日(土)、市内の高島、朝里、銭函地点からの観測に成功した。
「高島おばけ」は、21日に今季初観測されていた。その後、気温が高い状態が続き、蜃気楼日和が続く中、28日も、山口(手稲区)の気温が順調に上がり、風は南よりとなった。蜃気楼発生期待度は30%で、連休初日ということもあり、北海道・東北蜃気楼研究会のメンバーは、観測地点へ出かけていた。高島、朝里、銭函へと散らばり、3箇所からの蜃気楼観測に成功した。
 今回初めて蜃気楼を観測した同会入会3年目の浜田文弘さんは、JR朝里駅近くの朝里海水浴場から16:30頃、石狩湾新港のタンクが伸び、蜃気楼を観測した。その後、JR銭函駅へ移動し、17:30頃、トド岩の変化を観測し画像に収めた。
 蜃気楼観測で知られる同会員柴田進さん(55歳)は、12:30から18:00頃まで銭函海岸で観測。
 「今回は、16:30頃、小樽港を出港したコンテナ船が蜃気楼により、おもしろい姿に変化した姿をカメラで捉えた。銭函海岸で待ち構えていたところ、大きくその姿が変化したのでカメラ撮影した。コンテナ船のようにかなり大きな船舶が、このようにボックス型や操舵室が伸び上がった状態になった姿を見たのは初めて。
 16:58、コンテナ船が、小樽港を出て、積丹半島方向へ向かう時に、船舶の上部に線のような像ができた。
 16:59、船舶の側面が、上部にできた線のところまで、するするっと伸び上がり始めた。
 17:00、まるで箱やボックス型のような姿に変身した。
 17:08、しばらくすると、ボックス型からするっと、操舵室以外の部分が縮み、除々に元の姿に戻っていった」と、コンテナ船の変化を詳しく報告した。

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miragetodoiwa.jpg 撮影:柴田進氏

 小樽市総合博物館・大鐘卓哉学芸員(同会会長)は、高島で観測。
 「ピーク時は『大規模』で、肉眼でも十分に分かる規模。発生時間の13:00〜14:00にかけては『小規模』の蜃気楼が発生。その後、16:30〜18:00にかけて、断続的に『中規模』と『大規模』の蜃気楼が発生。観測した場所は、銭函からは石狩湾新港方向と高島岬トド岩方向。朝里からは石狩湾新港方向と高島岬方向。高島からは石狩湾新港方向、手稲山口方向、銭函方向の一帯」と、今回の大規模蜃気楼の発生状況をまとめた。
 その後、気温が高めの状態が続き、連日のように蜃気楼を観測できる状態が続いている。同会では、「高島おばけ」上位蜃気楼への関心が、ますます深まることを期待している。