即興劇と朗読劇 劇団うみねこ2012演劇ゼミ


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 今年で50周年を迎えた劇団うみねこ(吉川勝彦代表)は、5月11日(土)9:00から、運河プラザ(色内2)3番庫ギャラリーで、2012演劇ゼミを開き、潮陵・桜陽・明峰・水産・倶知安高校の演劇部や社会人30名が参加した。
 当日に台本を渡され、上演までの3時間半、役者・舞台セット(パネル作成)・舞台照明の3つのコースに分かれて準備が進められた。会場となる3番庫ギャラリーでは、舞台の袖になるパネル作り作業を、のこぎりや金槌を使って、それぞれ真剣に取り組んでいた。
umineko2.jpg パネル作りの指導をした商業高校演劇部・土野顧問は「高校演劇部は、舞台の装置や道具を作る機会はないため、このようなワークショップで覚えて、自分の学校で実践してもらいたい」と話す。
 照明コースは、高い位置での作業のため、脚立に上り、ガラス製の照明器具を落下しないように、気を使いながら作業を進めていた。水産高校演劇部は5名の部員が参加し、藤本顧問は「表情が生き生きしている。同じことに興味を持つ学ぶ仲間と出会い、違う空気に触れ、成長できると思う」と話した。
 14:00から照明合わせを行い、いよいよ14:30から短編劇「いきなり劇場『微笑み』」が、70名の観客の前で上演された。2つの班が短い時間で練習し、集中した成果を披露。その後、劇団うみねこと市内高校演劇部のOB・OGが出演した「朗読劇『パパ ママ バイバイ』が上演された。昭和52年(1977年)9月に横浜市の住宅地に米軍機が墜落し、母と幼い子2人が亡くなった実話で、土志田勇著「あふれる愛に」より、吉川氏が脚本を作った。観客は、朗読劇に吸い込まれるように聞き入り、涙を流す人もいた。
umineko3.jpg 上演を終え、同劇団の中村康二氏は「愛の深さ、強さ、周りの温かさをみんなに伝えるために稽古をした。見に来てくれる方が最高の指導者だと思う」と挨拶した。
 「微笑み」で、主役の光美役を演じた潮陵高校2年生の佐藤悠さんは「練習は、別々の学校から集まり、上手く話し合い、意見を出し、助け合い、良い経験となった。自分達のオリジナル溢れる作品ができたら良かったと思う。朗読劇は、こんなに臨場感があり感動した。舞台で動く劇しかしたことがないので、やってみたいと思う」と話した。
 吉川さんは「今回初めて知識を付けようと裏方を取り入れた。成果は着々と出ている。高校生は素晴らしい。この場で渡した原稿は、明峰の生徒が演じたものを20分くらいに縮めたもの。他の生徒が演じるとどうなるか楽しみにしていた」と話していた。