ジンバブエ伝統音楽ジャナグル小樽公演 『きみもぼくもパフォーマー』



 「みんな歌って踊ろう!ジャナグル小樽公演『きみもぼくもパフォーマー』」が、8月20日(月)、いなきたコミュニティーセンター(稲穂5)4階体育館で開かれ、ジンバブエの伝統音楽を150人が楽しんだ。主催はジャナグル小樽実行委員会(吉岡大策代表)、共催いなきたコミュニティーセンター(自主事業)。
 アフリカ・ジンバブエで、音楽を学ぶ機会の少ない子どもたちに、伝統楽器や現代楽器で、奏法やダンスを教えたいと、小樽出身の高橋朋子さん(59)が、17年かけて、1992年に「ジャナグルアートセンター」を設立した。センターの子ども達の演奏ツアーは、2010年から始め今年で3回目。
 今回来日したのは、9歳から20歳までのメンバーと先生による8人グループ。7月5日に来日し、7月6日の福岡県糸島市を皮切りに、岡山県、兵庫県、愛知県、山梨県、長野県、岩手県など九州から東北を巡り、8月10日には北海道に到着。8月20日の小樽四ツ葉学園と8月21日の士別市で全国30ヶ所の公演を終える。アフリカ伝統音楽で使う楽器ンビラや迫力あるダンスを披露し、また、日本の子ども達との触れ合い交流を育み、好評を得ている。
 公演時間の14:00になると、ジンバブエのダンス衣装で登場し、伝統音楽と太鼓の音が響き、拍手で迎えられ、出演者7名が1人ずつ自己紹介をした。「タデンダ(13歳・男子)」は、昨年も出演し、タコが好き。「チルダ(13歳・女子)」は一昨年から出演。ジンバブエでは沢山いるカブトムシが売られているのを見て驚いたなど、それぞれ日本の印象を話した。
 まず、ンビラの演奏と歌「マチルワ」という曲を披露した。「マチルワ」は人の名前で、男の人が狩りに行き亡くなった。鳥が、亡くなった人のことを家族に知らせたという昔話の曲。ダンスでは、馬をまねした踊り「ホソ」やジンバブエマシンゴ地方のダンスで豊作を祝う時や感謝をするときに踊られるダンス「マンデ」などを披露。さらに、日本の歌「かもめかもめ」「ふるさと」なども組み込まれた。
 同実行委員会が用意したペットボトルに大豆を入れて作ったマラカスやカスタネットを、来場者の子ども達が持ち、曲に合わせて一緒に踊り、みんなが笑顔になった。

 市内在住の小学校2年生の男子は、「楽しかった」と話し、母親は「日本と違うリズムで初めての体験。出演している女の子が楽しそうに喜んで踊っている姿が良かった。体から沸き起こる躍動感が伝わってきた。ジンバブエの国旗や言葉にも興味が湧き、家へ帰ってから調べてみようと思う」と話した。
 公演を終えて吉岡代表は「子ども達が、肌の色や文化言語が違う子と接するのは素晴らしいこと。この公演に賛同したのは、型にはめられ苦しんでいる日本の子ども達が、いろいろな子ども達がいる、他の人と違っても良い、苦しまなくて良いと感じてもらいたい。今日ここで触れ合った子ども達は、何かを感じたと思う」と話した。
 8月21日(火)の士別市が最終公演となり、日本の夏の長かった52日間のツアーを無事終える。23日(水)に千歳国際空港からジンバブエ・ハラレへ帰国する。