小樽市の新成人1,155人 市民会館で式典

 1992(平成4)年4月2日から1993(平成5)年4月1日までに生まれた小樽市の新成人1,155人(男570人・女585人)は、1月14日の成人の日より1日早い前日の13日(日)に成人式を開催。社会人としての気持ちを新たにした。
otaruseijinshiki.jpg 厳しい寒さが続く中、小雪が散らつく比較的穏やかな冬の午後、会場の小樽市民会館(花園5)付近は真っ白な冬景色となった。色鮮やかな振袖や、真新しいスーツ姿の新成人が、寒そうに急ぎ足で会場へ駆け込む姿が多く見られた。
 14:30からの式典に先立ち、「恩師からのビデオメッセージ」をステージ上のスクリーンで上映した。会場は満席となり、懐かしい中学校卒業時のクラス担任がスクリーンに登場すると歓声を上げ、恩師の言葉に耳を傾け、当時を思い出していた。
 式典で、中松義治小樽市長は、新成人約1,000人を前に「世界中の様々な情報がインターネットを通じて瞬時に手に入るようになったが、このような環境は素晴らしいと思う一方で、顔と顔を合わせて直接コミュニケーションを行なう機会が失われることになり、情報を直接見聞きし、発見するといった実体験が不足することになる。若い皆さんに求められるのは、情報を処理することではなく、実社会と直接交わって、いろいろな課題や困難に対処していく能力だと思う。新成人の皆さんは、果敢に社会に向き合って、いろいろな経験をし、それぞれの夢の実現のために、努力を重ねることを願う。将来小樽の町の担い手として活躍されるよう期待している」と式辞を述べた。

 成人を代表して小樽高等看護学校・川﨑佳奈さんと新野ほなみさんは、「昨年は、東日本大震災からの復興を願い、人々が希望も持ち懸命に努力をしている中、ロンドンオリンピックの開催、金環日食の天体ショー、山中教授のIPS細胞樹立によるノーベル賞受賞など、人々に夢や希望・感動を与えてくれるとても素晴らしい出来事がありました。また、1人では成し得ないことに対し、多くの人が努力し、助け合い、協力する姿には、絆を感じられました。私たち新成人が目指すものや環境は、それぞれに異なりますが、いつか感謝されるような人になれるように頑張っていきたいと思います。生まれ育ったふるさと小樽を愛し、本日この時から自立に向け、一層に自己研鑽に励み、心豊かな成人として次代を担うことを誓います」と述べた。
 引き続き商品券などが当たる抽選会が行われ、当選者には、夢についてなどのインタビューが行われた。成人式実行委員会が制作したスライドが上映され、式典は終了した。

 祝賀行事として、表千家小樽吉祥会によるお茶席が設けられ、新成人らは、慣れない手つきでお茶を楽しんでいた。記念写真コーナーでは、友達同士で写真を写したり、晴れ着姿の友達と再会を喜ぶ新成人の姿が見られた。会場のロビーは、携帯やカメラで写真を写す大勢の成人でごった返し、それぞれに、式を楽しんでいた。
 式に参加した宮越莉奈さんは「常識ある大人になりたい。まだ、かわいい大人でいたい。騒いでいる人は、恥ずかしいところもあったが、元気が良かった」と話した。