座禅草や水芭蕉が春の息吹! 長橋なえぼ公園

 大雪に見舞われ小樽市内にも、4月になって、やっと春の息吹が感じられるようになった。
 3月10日に155cmを記録した積雪も除々に溶け始め、4月9日(火)の小樽の積雪は35cm(20:00現在)となり、最高気温も15:00に2桁の11℃を観測した。
 4月9日(火)、長橋なえぼ公園(幸1)は、敷地内の森の自然館はまだ冬期休館中。4月11日(木)の開館を前に、まだ雪深く見渡す景色は冬景色だが、雪解けを待ちわびた市民が長靴を履いて散歩する姿が見られた。
 園内を流れる川は、雪解け水で増水し、激しい水の音を立てながら、勢い良く流れている。

 市民が楽しみにしている公園内の春の風物詩、水芭蕉と座禅草が芽吹き始めた。園内の水芭蕉の池には、いくつか白い仏炎苞(ぶつえんほう)が姿を現していた。
 園内入り口から590mほど離れたところにある座禅草の湿地には、所々に座禅草が顔を出した。辺りはまだ雪に覆われているが、所々雪が解けた湿地に芽吹き始めた座禅草が散在し、これから一気に姿を現す気配だ。
 散策路の途中の水たまりには、この時期毎年見られる、オタマジャクシの卵も発見。春の訪れを改めて実感する。

 水芭蕉は、湿地に自生し、葉間中央から白い仏炎苞の苞を開く。これが花に見えるが、仏炎苞は葉の変形したもの。中央の円柱状の部分が小さな花が集まったもの。開花は低地で4月から5月。高地では5月から7月。花の後に葉が出る。長さ80cm・幅30cmになる。
 座禅草は、仏像の光背に似た形の花弁の重なりが、僧侶が座禅を組む姿に見えることから名付けられた。湿地に生息。開花する時に発熱するため、周囲の雪を溶かしいち早く顔を出す。開花後に大型の葉を成長させる。
 同公園では多くの野鳥、シジュウカラ・ヤマガラ・アカゲラ・クマゲラなどに出会え、散策中の市民を楽しませている。タイミングが良いとエゾリスに遭遇できる。散策路脇の大木には、野鳥やリスへ餌を与える台が設置してあり、ひまわりの種や胡桃の殻が散乱している。胡桃を細かくして木に置くと、餌を嗅ぎ付けた野鳥がどこからともなく飛んで来る。最初は警戒しているが好物の胡桃を前に、警戒心も解け、鳥達が次々と餌を目がけて飛び交う。木を突く音や鳥の囀りが聞こえ、音の先には、アカゲラが一生懸命に木を突いていた。

 4月11日(木)から同公園敷地内にある森の自然館がオープンし、これから迎える桜の季節には、5,000本ほどある蝦夷山桜が開花。多くの市民が花見や散策に訪れる。
 長橋なえぼ公園森の自然館(0134-27-6061) 開館期間:4月11日(木)~11月10日(日)