宇宙からやってきた隕石!総合博物館企画展


inseki1.jpg 2013年2月にロシアのウラル連邦管区チェリャビンスク州付近に隕石が落下し、世界中を震撼させた。その後、1925年9月に北海道美唄市内に落下した隕石を、同市役所や同郷土資料館で展示するなど隕石への関心が高まる中、小樽市総合博物館(手宮1)では、5月1日(水)からミニ企画展「宇宙からの手紙・隕石」第1部いろいろな隕石を、本館1階ドームシアター前で、5月31日(金)まで行なっている。
 展示されているのは、北海道大学総合博物館の所蔵の鉄隕石6点、石鉄隕石3点、石質隕石3点の3種類・12点。これだけ揃った隕石の展示も珍しく、小樽では初めてのこと。
 隕石とは、宇宙から大きな天体が地球に落下した場合、まれに燃え尽きず地表面まで到達したもの。火星と木星の軌道の間にある小惑星帯から由来し、45億年前の原始太陽系の中でできた小天体の破片や、彗星の残骸、火星や月の表面物質との衝撃により飛散したものなどがある。また、金属とケイ酸塩鉱物の比率で3種類に分類。ほとんどが石質隕石で、石鉄隕石は発見が少ない。
inseki2.jpg 今回展示した貴重な隕石では、アフリカ南部のナミビア共和国ギベオンで発見されたオクタヘドライト型鉄隕石。鉄と鉄・ニッケル合金が、100万年単位の冷却時間により、ニッケルが結晶化し分離した特有の構造「ウィドマンシュテッテン構造」と呼ばれる格子状の模様が見られる。模様が良く分るよう隕石を切った断面を展示していて興味深い。
 展示中のメキシコのチワワ州アエンデ村産の炭素質隕石は、、45億年前の太陽系ができ始めた頃の天体で、地球の生命の起源と考えられる。炭素の化合物であるアミノ酸を含んだ石質隕石で、気体になりやすい物質は、熱によって隕石から失われるが、熱による変質が無く、約45億年前(形成時)の状態を保持していることから、隕石の構造を調べ、太陽系の成り立ちを理解する貴重な材料となっている。
 多くの隕石の特徴として、指で押されたような跡や焼けた跡、熱で溶けたため表面がなめらかな隕石が多い。
 同館・大鐘卓哉学芸員は、「この企画展をきっかけに隕石に興味を持ってもらいたい。隕石には色々な顔があり、今後切り口を変えて隕石について展示していきたい。隕石から太陽系に思いを馳せてもらいたい」と話した。
 第2弾として、6月から北海道に落下した隕石を展示し、落下した時の状況などを中心に展示を予定している。
 滅多に見ることができない珍しい隕石を見て、改めて隕石の奥深さを知る企画展となっている。
 ミニ企画展「宇宙からの手紙・隕石」第1部 いろいろな隕石
 5月1日(水)~31日(金)9:30~17:00 休館日:火曜日
 入館料:一般400円、市内在住70歳以上及び高校生200円、中学生以下無料。