市民がっかり!小樽の老舗洋菓子店 『館』 倒産!


yakataclose1.jpg 小樽の老舗洋菓子店「館」(花園1・光三鶴社長)では、5月7日(火)、小樽本店の正面ガラスに事業停止を知らせる張り紙が貼られ、長年親しんでいた市民に衝撃が走った。
 株式会社館(本社:小樽)は、1936(昭和11)年5月創業の老舗洋菓子店。全国の百貨店での物産展に参加し、テレビCMなどで全国的に知名度を上げた。直営店を小樽のほか余市、札幌、函館にも設け事業を拡大した。チョコモンブラン、チョコバナナなど定番人気商品があり、子どもから年配者までの幅広い客層に支持されていた。
 しかし、洋菓子店の多様化やコンビニの洋菓子の取り扱いなどで、売上げの減少が止まらず、債務が膨らみ、事業停止に追い込まれ倒産した。帝国データバンクによると、負債総額は4億6,000万円で、最盛期の2007年の売上は7億1,400万円あったが、2012年の売上は3億9,000万円まで減少の一途を辿り、5期連続の赤字を計上し倒産した。これに伴い、同社のHPも閉鎖された。近く自己破産手続きに入ることにしている。
yakataclose2.jpg 70年を超える老舗洋菓子の小樽本店は、洋菓子販売と喫茶室を併設し、多くの市民に親しまれていた。主婦ら女性が数人で集まり、好みのケーキを味わい会話を楽しんだり、ひとりでコーヒーをゆっくり楽しんでいる男性客など、店内はいつも賑わい強いファンに愛されていた。また、かつては、クリスマスケーキを買う市民が行列をなし、デコレーションケーキが人気を集め、その味が市民の舌に残っていた。繁華街の花園銀座通りにあるため、宴会帰りの父親は、家族の土産にケーキを買い求め、帰宅するのが定番だった。
 8日(水)には、閉店を聞きつけた市民らが、店舗前の張り紙を見て、「びっくり」「残念だね」と、がっかりした様子で足早に通り過ぎて行った。
 市内60代女性は、「昨年の夏に高校時代の友達が四国から来たので、6人で館で集まり、懐かしんだ。それが最後になってしまった。もっと通えば良かった。無くなるのは寂しい」と話し、札幌在住40代女性は、たった今閉店を知り、「真ん中にバナナが入っているチョコバナナのファンだった。当時、会社の休憩時間にケーキを買いに行き、食べていた味が懐かしい」とがっかりした様子だった。
 地場産業の洋菓子店の倒産は、老舗和菓子製造販売の(株)花月堂に次ぐもので、小樽では、洋菓子も和菓子の製造販売も立ち行かなくなっており、小樽経済の衰退がさらに加速していることを示すものとなった。
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