豪邸の旧遠藤邸一般公開!小樽の歴史を感じて•••


endotei1.jpg 立正佼成会小樽教会(富岡1・伊藤賀章教会長)では、毎年5月の第3日曜日に「旧遠藤邸」の一般公開を無料で実施。今年も5月19日(日)〜26日(日)の8日間、10:00から15:00まで開放している。昨年は市民や学校の団体など700人以上が見学に訪れている。
 手入れの行き届いた庭では、木々が季節を告げ、21日(火)には、梅の花が満開となり訪れる人の目を和ませていた。
 旧遠藤邸は、長倉増蔵氏が設計し明治35(1902)年に建立。木造平屋建て。海産物卸商で富を得た遠藤又兵衛の邸宅だった。小樽港を望む高台にあり、本州材を取り寄せ、大工は越後から呼び、旭川の神居古潭(カムイコタン)から砂利を運んだり、当時の金額で10万円をかけ、釘を使わずに3年がかりで建てられた和洋折衷の大豪邸。
 和風を基調としているが、玄関脇の応接室は八角形の洋室で、ベイウインドもあり、暖炉付きで白塗りの壁、天井には通気口もある。門・塀には、鷹などの鬼瓦が飾られ、金色の家紋四菱が輝く。瓦屋根付きの簓子(ささらこ)塀の漆喰と板張りが美しい。

 大正2年に小樽商工会議所会頭や衆議院議員を務め倉庫業を営んでいた実業家・山本厚三氏に3万円で売却。昭和39年には立正佼成会が購入し、同会小樽教会道場として使用し、昭和58年に整備工事をし、南正面棟の主要部分を残し、正面棟約3間分と西・北棟を撤去した。
 一般公開されている洋室の応接室と和室2間は当時のままで、小樽の歴史を感じることができる。昭和60年7月に小樽市指定歴史的建造物4号に指定され、平成7年には、小樽市第8回都市景観賞を受賞している。
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 一般公開に合わせ玄関横の和室では、立正佼成会・谷内純子会員による手作りのつるし雛、季節の飾り物などの作品を展示。お茶会や刺し子の会に貸し出されることもある。瓦や石蔵の蝶番(ちょうつがい)、七宝焼きのふすまの引手なども展示され、訪れる人々は興味深く見入っていた。
 小樽教会道場として使用していた当時の豪邸を知る会員は、「貴重な建造物を、この機会にぜひ、多くの方に見て頂きたい」と話した。