小樽の魅力を再発見!図書館記念講演会

machiaruki1.jpg 小樽図書館新館オープン30周年記念講演会「小樽のまち歩きのすすめ」と題して、5月12日(日)14:00から、同館2階視聴覚室で、まち文化研究所の塚田敏信氏が講師を務め、47名が集まり、小樽の魅力を再発見した。
 塚田氏は赤平に生まれ。現在札幌在住で、札幌大谷大学非常勤講師。銭湯やお菓子を題材にした本など著書多数。70年代以降、仕事や調査で、たびたび小樽を訪れていた。小樽と札幌の違いを聞かれると、「札幌を1km歩いて見つけるものを、小樽では50mでいくつも発見できる町」と答えるという。
 今回の講演では、小樽を散策する上での極意や、画像、実物を交えて紹介し、参加者は、興味深く聞き、時間を忘れて塚田氏の講演に聞き入った。
 はじめに、町を歩く時に携帯する「7つ道具」について説明。カメラ、筆記用具、地図、メジャー、懐中電灯、メモ帳は大小2つのタイプを使い分け、路に迷った時に役立つ方位磁石を上げた。今は無き子どもの国や青少年科学館などの思い出を語り、小樽の良さを意識して活かすことが重要であると強調した。
 また、以前散策した新宮商行や入船市場、西川ぱんじゅう店、工藤書店を画像で紹介。小樽の住民も気付かない人が多い「住居表示板」を示し、文化財だとも。
 大正8年創業の「アイスクリームパーラー美園(稲穂2)」を紹介。「船乗りがぶらりと来てアイスクリームの製法を伝えた。『ハイカラ焼き』などの謎のメニューを見つけたり、古い画像から色々なことを想像する。表面に見えない物を調べるのも町歩きの醍醐味である。喫茶『光』で、コーヒーにカステラが付いてくるように、すごい物が1つあると、そこから沢山の文化が繋がっているはずで、それを調査して見つけたい」と話した。
machiaruki2.jpg 銭湯博士で知られる塚田氏は、小樽の銭湯に関しても詳しく、銭湯に欠かせない桶や石鹸などを実物や画像で紹介した。小樽は銭湯大国で、人口比で一番銭湯が多い町でもあり、随分と減ったが現在組合加入件数は13件で、営業中は11件ある。小樽駅の近くにあった「稲穂湯」でのタイルや当時の番台、日本にはここだけのドイツ製電動ロッカーなどを紹介。銭湯の隣には、床屋が多いと話した。銭湯仕様の石鹸や、シャンプー、かみそり(T字型の柄の部分は缶詰のリサイクル)、ケロリンの宣伝文字が入った桶など実物を紹介した。南小樽の「潮の湯」では、、暖簾をくぐる時に濡れた頭に当たらないようにとの客の要望に、トンネル型の暖簾を独自に作ったエピソードや、女性の洗髪は有料で札を配っていたり、男性も長髪となって、ボイラーの発達により有料が廃止された。
 市民なら誰もが聞いたことがある北海道時事放声社の街頭放送について、日本で第1号だと説明。選挙速報の様子や子どもの国のメリーゴーランドの寄贈。「館」や「花月堂」、「新倉屋」の街頭放送を視聴した。都はるみと杉良太郎のデュエットで都通り音頭を歌い、街頭放送はすごい財産だと思うと話した。
 「小樽に埋もれている物が沢山あり、この土地ならではのもの、まち文化を残すためにも掘り起こしたい。密度の濃いまち文化が、掘り起こされずにどんどん消えていく。意識を持ちながら町を散策してもらいたい」と話し、1時間半の講演は終了した。
 市内60代女性は、「小樽に住んで15年となり、小樽のまちをもっと歩いてみたいと思い参加した。話しを聞いてもっと歩いてみたくなった。主だったところが紹介され参考にしたい」と話した。