迷子のアザラシ元気回復! おたる水族館

 今年4月と5月に、小樽水族館(祝津2)で保護したゴマフアザラシの赤ちゃん3頭が、元気を回復し、同館海獣公園内の保育プールにて、5月29日(水)から一般公開を始め、愛くるしい姿に来館者は「かわいい」と、早々に人気者となっている。
 発見時は衰弱していたが、抗生剤や栄養剤を大ナゴに忍ばせて与え、日に日に元気を回復し、公開の運びとなった。
 同館では、今年に入って5月までに8頭のゴマフアザラシ等の赤ちゃんを保護している。
 今年は、天候不順や海水温が低く、乳離れをした後、魚を探して迷子になったり、波の影響で迷子になったのではと、例年より多くのアザラシを保護している。8頭中、3頭は死亡。2頭は治療中で餌を食べ始め、回復に向かっているという。治療中の1頭は、日高で保護されたゼニガタアザラシの赤ちゃんのオス。同館近海はもとより、遠くの海で保護されたアザラシも保護を受け入れている。
otaruakua-azarashi.jpg 今回公開されたアザラシは、ゴマフアザラシ3頭で、4月25日小樽市の裕次郎記念館近くで、一般人から通報があり、同館職員が保護したオスの「ゆうじろう」(12.5kg)。4月27日、同館前浜で同職員が保護したメス「まこ」(13kg)。5月11日には、石狩市浜益で漁師が発見、同館職員が保護。発見者の名前から「しげのぶ」(オス・15.5kg)と命名した。
 3頭は、体長83~85cmで、発見時よりも体重が増加。4kg増加したアザラシもいる。性格もそれぞれに違い、個性があるという。
 保育プールをゆうゆうと泳ぐ3頭は、観客の方へクリクリ目玉で愛嬌を振りまき、大ナゴの餌をねだったり、可愛い仕草を見せていた。
 伊勢伸哉飼育部次長は、「近海にも野生のアザラシがいて、ゴマフアザラシ2頭は、前浜で保護されている。市民や札幌近郊の海に住んでいるアザラシの姿を見て、水辺の生き物に関心を持ってもらいたい。ゴマフアザラシは、一定の距離が保たれていれば、人間に興味を持ち寄ってくる」と話した。