電気料金値上げ 北電が説明会


 北海道電力株式会社では、現行料金では、電気事業の維持・運営が困難になったため、平成25年4月27日に経済産業大臣に対し、電気料金の値上げを申請した。
 平成25年度から27年度まで電気料金の値上げの申請に関する説明会を、6月7日(金)13:30より小樽経済センター(稲穂2)7階ホールで開催。北海道電力株式会社・真弓明彦常務取締役、同社・佐藤斉小樽支店長が概要を説明。小樽市・貞村英之副市長、小樽市漁業協同組合・岩木剛代表理事組合長他6名が出席して開かれた。
 同社は、「海外炭化力と原子力を中心とした電源多様化を進め、燃料費の低減など効率化の成果として、昭和61年以降、14回にわたり電気料金の引き下げを実施し、約34%の低減を実現した。平成21年12月に3基目の泊発電所3号機が営業運転を開始、現行の電気料金を維持してきた。泊発電所の長期停止に伴い、火力燃料費が増加、費用削減に取り組んだが、平成24年度の収支では、経常損失1,186億円と過去最大の損失となり、当社の財務状況が急速に悪化。今後、自己資本の毀損が拡大し、燃料調達や設備の保守・保全などに必要な資金の調達も困難となり、電力の安定供給に支障をきたすおそれがある。現行の電気料金を継続した場合、644億円の収入不足となる。そのため、電気を安定して届けるために、電気料金の算定には、総括原価方式を採用し、平成25年9月から、規制部門では10.20%の値上げ、自由化部門では、同日から13.46%の値上げする」 こととした。
hokudenneage.jpg 契約電流30Aで260kWh使用した場合、値上げ額は451円、家庭向けの電気料金は、現在の支払い額より6.81%の値上がりとなる。低圧電力8kWで650kWh使用した場合1,371円、7.95%の値上げとなる。時間帯別電灯(ドリーム8)では、年間59,215円値上げし、22.06%の値上率となる。
 検針日の翌日から起算して20日経過後に支払いの場合に適用する「遅収料金」制度を廃止し、平成27年4月分の電気料金から、「延滞利息」の制度を導入するとした。
 また、[原子力設備利用率を、泊1号機を平成25年12月、泊2号機を平成26年1月、泊3号機を平成26年6月に発電再開することを前提に59%と想定した。取り組んできた経営効果率をさらに推し進め、今回原価に356億円のコスト削減を織り込み、電気料金の値上げ幅を最大限に抑制している] と説明した。
 質疑応答では、泊の活断層についての質問に、「活断層には定義があり、地質調査では、20万年前より活動が見られないため活断層とは判断していない」と回答した。
 深夜の電力単価の安い電力が使えるドリーム8について今回の値上げでは、かなりの金額となり、新しくオール電化を勧められた人には、だまされた感情を持つのではの質問に、「高齢者世帯では負担が増えるが、使用量が大きいので総額が大きくなる。オール電化の方々にも負担をしてもらわなければ、他で負担してもらうことになり、苦渋の思いで申請している。コスト面だけでなく、安心、安全面や環境面を含めて勧めてきた。大きな負担となるが理解してもらいたい」と回答した。その他、泊原発の稼動や安全対策についてなど活発な質問が続いた。
 電気料金の値上げに関する説明会は、町内会やその他の団体からの要望があれば、随時、対応していくとしている。問合せ:0120-009-736 小樽支店、全店共通FAX:0120-007-704。
 北電の値上げ申請の裏には、泊の原子力発電稼動を狙う電力業界や国の思惑が透けて見えており、どれだけ説明会を開催しても、すんなりと利用者からの賛同を得られるかは極めて疑わしい。北海道の大地と空気と水の保全には、原子力依存は危険だと指摘する識者も多い。値上げを人質にとっての泊再稼動を迫っている構図の危うさを道民は、どう評価するのだろうか。
 ほくでん〜電気料金の値上げに関するお願い
 ほくでん〜電気料金の値上げ申請について