母娘孫の3人展 写真や日本画、色鉛筆画87点


 小樽在住の川内恒子さん(72)と娘の安栄容子さん(43 )、孫の史弥君(10)の「母娘孫3人展~花風景に魅せられて」が、7月31日(水)から8月4日(日)まで、市立小樽美術館(色内1)1階、市民ギャラリー1・2で始まった。構想を1年以上前から練り、母の作品が集まり、娘の転勤が落ち着き、孫のデビューを実現させた。
hahako3.jpg 写歴10年目の川内さんは、HTB北海道花情報通信員、小樽しりべしシニアネット会長、「小樽そぞろ歩き」と題してブログを持ち活発に活動をしている。
 ここ7、8年間に写し貯めた写真64点を「四季の彩り」、「小樽そぞろ歩き」、「野に咲く花々」と3つのコーナーに分け展示している。他にも犬そりのレースやラフティング、火渡りなど躍動感溢れた作品も楽しめる。
 「四季の彩り」では、市内での季節の移り変わりを春の水芭蕉、桜、夏の菖蒲、ひまわり、秋のススキや色づく葉を全紙サイズより大きくして展示。パソコンで画像を半分に切り、A3ノビサイズで印刷し、2枚をぴたりと合わせたもの。川内さんのアイディアや工夫が光り、印刷も自分の思いのサイズにし、これも見所のひとつ。
hahako3-1.jpg 「野に咲く花々」では、座禅草・ニチリンソウ・レンゲショウマなど、川内流の背景にその花々の特徴を上手く捉えた作品も注目したい。また、本州や北海道では生息環境が違い、川内さん作品から、野の花か庭の花が論議となったこともあったそうだ。この10年間に撮影した野の花は200種以上あり、赤岩やオタモイ、中山峠など、小樽や札幌近郊の野の花々を撮り続けている。その中で一番多い野の花は「カタクリ」で、土壌により花の色がそれぞれ違うらしく、いろいろな場所で撮影している。
 川内さんは、「3人だからできた展覧会。いつか開催したいと思っていた。3人が自然をモチーフに、普段、それぞれに楽しんでいることをこの機会に見ていただきたい」と話した。
 娘の安栄容子さんは、高校生までは油彩を描いていたが、北海道教育大学札幌校特美(特別教科教員養成課程)では、日本画を専攻、同校の大学院を修了。道展会員。野山の花や木々を題材にして20年。長い転勤族から開放され、現在札幌在住。赤岩やオタモイ、稚内、石狩などの植物を題材にした日本画12点を展示し、優しい色使いの植物が100号サイズに描かれ、癒しの絵画展となっている。

 日本画は、絵具に匂いもなく、材質が合いここまで続けることができたという。木枠に和紙を張り、下地を作り、膠液で溶いた絵具を塗る。和紙の上で色を合わせ、気に入った色を作り上げる。100号の製作期間は数ヶ月かかることもあるそうだ。
 オタモイの民家の庭に咲いたノウゼンカツラは、陽の光を浴びているところをグラデーションで表現。赤岩の遊歩道も、容子さんが描く日本画では、優しい緑の空間となる。「作品展は、作品の感想をその場で聞けてありがたい。今後も日本画を続けていきたい」と話した。
 孫の安栄史弥君は、札幌の小学4年生。絵を描くことが好きで、色鉛筆画11点を出展している。2009年から始めた干支を描いた年賀状や身近な物を題材した作品が多い。祖母の畑で採れた今年の夏野菜を新鮮に色鮮やかに描いている。「おばあちゃんへもらった野菜の絵をプレゼントする予定」と話した。
 会場には、大勢の人が訪れ、親子や孫の実力ある作品に感心していた。
 母娘孫3人~花風景に魅せられて~ 7月31日(水)~8月4日(日)10:00〜17:00(最終日16:00)
 市立小樽美術館(色内1-9-5)1階市民ギャラリー1・2 入場無料