"管内経済持ち直し" しりべし経済レポートVol.69


 財務省北海道財務局小樽出張所(港町5・岡田一則所長)は、「しりべし経済レポートVol.69 」(平成25年7月から9月期)をまとめ、11月22日(金)に発表した。同レポートでは、総括判断として、「管内経済は、持ち直している」とした。
 「個人消費」として、主要小売店売上高では、夏場の気温上昇に伴い、生鮮食料品が敬遠されたことにより、惣菜をはじめとする食料品が好調となり、前年を1.3ポイント上回った。店舗のリニューアル(長崎屋小樽店やウイングベイ)や入店による賑わいが見られた。
 新車登録台数では、消費税率の引き上げを意識し、買い替え需要が見られ、前年を7.9ポイント上回ったことにより、「個人消費」については、持ち直していると判断した。
 「観光」は、天候に恵まれ、日帰り客を中心とする国内外客が増え、外国人観光客も引き続き好調であり、総体的に前年を9.3ポイント上回った。外国人観光客は、円安や外国での北海道観光のPR効果の成果と考える。旅行の満足度も、外国人からのアンケートで高い結果が出ている。
 「住宅建設」では、持ち家・貸家・分譲住宅などが前年を上回った。
 「公共工事」では、公共投資の拡大により、前年を14.3ポイント上回る。なお、資材の値上がり、人手不足とともに、資材の調達が困難との声もある。
 「生産」は、水産加工は、たらこが前年より増加、ミガキニシンやカズノコはやや下回った。棒鋼は、春先の建設着工遅滞の影響が回復していないが、需要が見込め、堅調に推移。生コンは、民需が引き続き堅調で、官需は、公共投資の拡大により増加し順調に推移したことから、生産は例年並みの動きとした。
 「漁業」貿易の輸出入ともに前年を上回る。
 「金融」は、管内金融機関の貸出残高は、設備投資、運転資金ともに、引き続き低調で、前年を下回り、資金需要を低調とした。
 「雇用」は、有効求人倍率は、求職者数が減少し、求人数が増加、前年を上回った。新規求人数を業種別に見ると、卸売から建設業など広範にわたる。南後志地区が、北後志地区に比べ、明るい。改善の動きが続いているとした。
 「企業倒産」は、件数・負債総額とも前年を下回った。
 今回と前回(25年4月~6月期)と比べると、新車のプラス幅の拡大などから、前回は、持ち直しの判断が疑われるとしたが、今回は持ち直していると上方修正した。漁業は、前回は、前年を下回ることだったが、水揚げ金額が前年を上回った。雇用も、前回は緩やかな改善の動きが続いているとしたが、今回は改善の動きが続いているとしたことの3項目を上方修正し、その他の項目は不変とした。
 これらを踏まえて、総括判断は「管内経済は持ち直している」と上方修正した。
 上方修正については、前期(25年4月~6月期)から連続としている。
北海道財務局HP
後志経済リポートvol.69