2014年の幕開け 除夜の鐘と初詣

 大晦日から元旦にかけ、小樽市内の各所の寺院や神社には、除夜の鐘をついたり、初詣の市民らが集まった。1年の反省をし、煩悩を取り除き清らかな心でくる年を祝い、新年の幕開けを祝った。
joyanokane1.jpg 比較的穏やかな大晦日となり、日付が変わる頃には星空が広がった。一方、足元は、ツルツル路面となり、神社などでは、滑らないようにと砂をまいたり、配慮していた。
 量徳寺(入船1)では、23:55頃から鐘をつき始め、檀家や一般市民らが、鐘をつくために列を作った。鐘をついた証明書が配布され、ココアやお神酒、おしるこが振舞われた。来た人全員が鐘をつくことができ、訪れた市民らは、良い年となるよう心を込めて鐘をついていた。
 また、浄応寺(石山5)では、0:00から並んだ順番に鐘をつき、初めの1番と最後の108番目を住職がついた。手宮を見渡せる小高い位置にある同寺から、深夜の静寂の中、除夜の鐘の音が鳴り響き、新年の幕開けを告げていた。

 同寺近所に住む家族は毎年訪れていて、今年は、親子3代12人で、「今年の健康を祈願して鐘をついた」と、子どもから大人まで順番に鐘をついていた。
 近隣市民らが、次々と同寺を訪れ、1年間の無事を祈りながら鐘をついていた。境内では、甘酒が振舞われ、北国の寒さをしのいでいた。深夜に響く除夜の鐘の音を聞きながら、市内神社では、大勢の初詣客で溢れた。

 小樽稲穂3にある小樽鎮座龍宮神社(本間公祐宮司)では、0:00前から市民がぞくぞくと境内に集まり、0:00丁度に、社殿の扉が開き、宮司が社殿内で祝詞をあげた。社殿内では、道指定無形民俗文化財の松前神楽奉納が、楽人2人(宮司含む)と舞人2人で行われた。
ryugu1.jpg 松前神楽は、約400年前から、京都の公卿によって道南福島町に伝えられたとされ、北海道の伝統的な神事芸能。笛や太鼓の音に合わせて、2人の舞人が、弓矢を持ち舞を披露し、初詣客らが見入っていた。2012年の辰年に「龍宮火祭」で境内で披露された。
 その後、社殿内で獅子舞が披露され、境内に降りて初詣客の頭を噛み、獅子舞が怖いと泣いてしまう小さな子どもの姿もあり、賑やかな幕開けとなった。
ryugumamori.jpg また、今年5月、60年ぶりに神様を移す遷宮(ぜんぐう)の儀式が行われた、出雲大社の本殿の屋根の修復材料となった檜皮葺き(ひわだぶき)の古材と、伊勢の勾玉(縁結び)と出雲の勾玉、和歌山県にある那智黒石(我が国屈指の銘石)を合わせた縁起物を、同神社の氏子が袋詰めし、干支の縁起物として150個限定で配布した。
 同神社・本間宮司は、「小樽のこの地域の方々が健康で、いろいろな意味で充実した生活を送り、笑顔溢れる家庭を築かれるよう祈願しています」と話した。
 小樽在住の40歳代の女性は、「獅子舞に噛まれたのは初めてで、良い年になりそう。近所に住んでいて、今日はとっても賑やか。良い新年を迎えることができた。また干支の縁起物をもらうことができた」と感激していた。