"高島おばけ"現る!タンクが4倍にも伸びた


 道内各地で記録的な暑さとなった6月3日(火)、石狩湾では”高島おばけ”と呼ばれる上位蜃気楼が発生した。石狩湾新港のタンク群や船・建物が、伸びたり面白い形に変化し、”高島おばけ”と呼ばれる蜃気楼を観測した。
 数々の上位蜃気楼を写真や動画に収め、今シーズンの初観測時には、弊社に画像提供してくれた札幌在住の柴田進さんも、午後から朝里海岸へ出かけ、根気良く待機していたところ、15:00ぐらいからがピークとなり、船やタンク群が変化する上位蜃気楼が発生し、その様子を写真や動画に収めることに成功。
 石狩湾蜃気楼情報ネットワークでは、高めの気温の経過とともに、発生条件となる海風を予報し、発生期待度40%と発信し、愛好家や研究者は、ここ数日期待を寄せていた。
 柴田さんも、長年の経験などから3日は、蜃気楼が発生しやすい状況と考え、小樽朝里海岸へ向かったところ、大きな蜃気楼に遭遇し、石狩新港のタンク群のタンクは、通常より4倍も伸びたものもあり、こんなに伸びたタンクを見たのは、数々の観測のうち、初めてだったという。(写真提供:柴田進氏)

 その遭遇した様子を、「最初、石狩湾上の水平線上に奇妙な船舶が航行していたので、双眼鏡で確認したところ、それが蜃気楼化された貨物船だった。時間が経過すると小樽ドリームビーチの砂浜が蜃気楼化され、伸び上がっていたり、逆方向の高島岬やその周辺に行き交う小型船舶までも反転像を伴って蜃気楼化した。
 さらに、普段でもよく目立つ石狩湾新港の球形タンク群が、徐々に形を変えて大きなおもしろい姿に変化する様子を見ると同時に、動画や静止画でもとらえることができたのは幸せだった。特に反転像を伴って動く船舶や球形タンクの七変化は何度見ても感動する」 と話した。
 柴田さんにとっても、今回のように石狩湾上の前の海上や左右の海岸沿いや周辺の地形が広範囲に蜃気楼化され、面白い姿を見せたのは、過去に1度あったかなかったかで、貴重な体験をした日になったという。
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