日本の伝統文化 "和を遊ぶ"

 小樽市民会館自主事業「小樽伝統文化の会和を遊ぶ」が、6月29日(日)、同会館(花園2)で開かれた。
 小樽伝統文化の会(藤間扇玉会長)が主催する同会は、2009(平成21)年に始まり、今年で6回目を迎えた。「日本のこころ・伝統の素晴らしさ、和の心地よさ」に親しむ貴重な機会となり、多くの観客が会場を埋め尽くした。
wawoasobu.jpg 会場ロビーでは11:00から、茶道表千家小樽吉祥会によるお茶席や、短歌・川柳・俳句の作品を展示。日本橋や政寿司の弁当、新倉屋の花園団子や季節の和菓子の売店が並び、2階では、辻忠織物加工店・はきもの松屋・田中繊維本店が、着物・帯・和装小物・草履・下駄・和装肌着などを販売した。
 また、いけばな小原流小樽支部(斉藤豊葉支部長)では、「花の輪 人の輪 みんなの花展」を行ない、86点の作品を展示。様々な花々が会場を彩り、生花体験会も開かれた。
 奈良智翠さんは、アフリカジンバブエ製の入れ物を花器にして、ヤシの皮やコーヒー豆などを使い南国をイメージした斬新な作品を展示。小原流の持ち味を保ちつつ、作者の個性をアレンジさせた作品が並んでいた。
 夏の季節に合わせ、紫陽花やユリを植えた7つの鉢の作品は、「小原流の琳派調のいけばなで、襖の琳派絵画にように屏風絵のごとく花を表現し、今の季節の美しさを表現した」と説明した。
 また、緑を比較的大きな花器にいけた作品は、「写景と言って写真を写すように自然の姿を表現し、日本人ならではの表現方法。小原流の花は、非対称で空間を生かし完成させ、華やかな豪華さだけではなく、日本の美しさを意識した作品」と同支部関係者は説明。
 大ホールでは13:00から、小樽三曲協会による尺八や筝の演奏が始まった。能楽北海道おたる教室の仕舞、連吟。日本詩吟学院小樽しりべし岳風会の詩吟。小樽剣道連盟居合道杖道部会の合気道、日本舞踊藤間流扇玉会による舞踊などが次々と上演され、日頃の練習の成果を発揮し、観客を魅了した。

 ステージのトリは、小樽在住の高橋悦郎氏と高田幸枝氏制作の小樽の歴史や文化、生活の様子や景勝地などを描いた「小樽切り絵カルタ」から、企画作品「組曲『小樽かるた』」を上演。藤間扇久華氏が脚本を手がけ、藤間扇玉氏が振付・演出した作品。
 最後は、出演者全員がステージへ上り、扇玉氏は、「今年は同会も6歳となり、どうか10歳、20歳まで見守ってください。ロビーには、着物で訪れた素敵なお客さんが華を添えてくださり、改めて感謝し、日本の伝統文化を学び、皆さんにお伝え続けられるように精進したい」と挨拶した。
 その後、観客も一緒に手締めを行い、華やかなステージは幕を閉じた。観客は「楽しかった」と、感想を口々に話し、会場を後にした。
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