実践的なテロ対策訓練 勝納ふ頭で実施

 実践的なテロ対策訓練が、10月23日(木)9:30から、小樽港勝納ふ埠頭2番岸壁及び同岸壁付近海岸で実施された。小樽海上保安部や小樽警察署などで組織する小樽港危機管理コアメンバーらによる「小樽港保安対策総合訓練」と「テロ対策訓練」。
 この訓練は、「小樽港保安委員会及び小樽港危機管理コアメンバーが一体となり、実践的なテロ対策訓練により、同種事案発生時の迅速な情報共有と対応能力の向上を図り、平時及び有事における港湾危機管理体制の強化を図ること」を目的としている。
 synthetictraining1.jpg小樽海上保安部・札幌方面小樽警察署・函館税関小樽税関支署・札幌入国管理局小樽港出張所・北海道開発局小樽港湾事務所・全日本海員組合・小樽市産業港湾部の7団体約100名が参加。海上捕捉訓練をはじめ、避難誘導訓練・陸上捕捉訓練・不審船の船内検索訓練が行われた。
 海上保安部による海上捕捉訓練では、テロリスト数名が国籍不明船で小樽湾内に侵入したとの想定で行われた。海上からは、巡視艇「やぐるま」や高速ゴムボート2艇が、空からはヘリコプターが追走。テロリストが銃を発砲し、海保側も海と空から迎撃し、銃撃戦となったが、不審船に一気に乗り込み逮捕した。
 小樽市産業港湾部港湾室による避難誘導訓練では、テロリストを乗せた車両が小樽港に向かっていると連絡が入ったと想定し、保安要員は、港湾作業員を誘導避難させ、避難後にゲートを閉鎖した。
synthetictraining2.jpg 小樽警察署による陸上捕捉訓練では、小樽港に潜入しようとした不審者に出迎えの車両が向かい、保安要員を拳銃で威嚇し、ゲートを突破したとの想定で行われた。パトカー1台が駆けつけ、不審者と銃撃戦。不審者は、巡視艇「しれとこ」に侵入し、警備隊の車両も到着した。その後、仲間を連れて2名で逃亡を謀るが、警備隊と警官にそれぞれ捕まり犯人は検挙された。
 小樽海上保安部・小樽警察署・小樽税関支署・札幌入国管理局による不審船の船内検索では、船内に潜んでいるテロリストがいることを想定し、巡視艇「しれとこ」で訓練を行なった。船内をくまなく探したところ、拳銃を発見し、押収手続きを行なった。どの参加者にも緊張感が漂い、本番なさがらの訓練となった。1時間ほどで訓練は無事終了した。
 小樽危機管理副担当官・小樽警察署原口淳署長は、「緊迫する国際情勢の中、各団体が連携し、安全に行われ、大変有意義であった。有事を想定し、日頃の訓練の成果を遺憾無く発揮した。今後、訓練を行うことにより連携をさらに図れることを期待する」と講評を述べた。
 小樽海上保安部
 第一管区海上保安本部
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