原爆投下の惨状を再現 映画"ひろしま"上映会


 来年の被爆70年を前に、1945年8月6日広島で被爆した子ども達の手記を集めた映画「ひろしま」小樽上映会が開催される。12月8日(月)、市民センター(色内2)マリンホールで、14:30と18:30の2回上映。
 映画「ひろしま」は、自らも被爆者で教育学者の長田新が編集した「原爆の子~広島の少年少女のうったえ」をもとに、被爆から8年後の1953年に、関川秀雄監督の下、日教組プロが製作した日本映画。
 宝塚歌劇団出身の月丘夢路が主演し、山田五十鈴、岡田英次、加藤嘉らの俳優をはじめ、広島市民がエキストラとして約9万人が出演し、原爆投下後の惨状を再現した。1955年に第5回ベルリン国際映画祭長編映画賞を受賞している。
 真実に近く迫真性に富んだ映画と注目を集める反面、反米色が強いと数場面カットするように要求され、事実を伝えたいと拒否し、幻の名画と言われた。
 同映画の監督補佐小林大平氏の子息で映画プロデューサーの一平氏は、2008年から同映画の上映会を始め、全国70ヶ所で行なった。
 今年、11月5日・6日の東京上映会では満員となり、入場できなかった人が続出するほど多くの人が関心を寄せている。
 小樽での上映会は、今年6月に発足した東日本大震災の記憶を伝え、被災地支援を目的とする「できることをできるだけプロジェクト小樽実行委員会(小山内和子委員長)」が主催。
 同プロジェクトは、2013年8月に札幌で開催された、音楽とアートを通じて被災した着物の記憶を伝える「できることをできるだけプロジェクト」(しおみえりこ代表・東京)に、スタッフとして参加し共感した小山内氏が、「ぜひ、小樽でも広めたい」と、同会を6月に発足。8月に初イベントを開催している。
 復興支援を通じて知り合ったしおみ代表から小林一平氏を紹介され、小樽での上映が実現。しおみ代表も11月の東京上映会を主催している。
 上映前に、被爆者であり医師の肥田舜太郎氏インタビュー「原爆から原発へ」を、約20分上映し、本編(105分)を上映する。
 終了後、小林一平氏講演会を開催し、会場ロビーには、戦争の虚しさを後世に伝えるために、余市在住の坂本仁氏提供の本物のゼロ戦プロペラなどを展示した特別展示が行われる。
 主催プロジェクトを運営する株式会社Stoic’s高橋将友代表は、「この映画は、日本人・地球人として、観て・感じて・知って・学んでほしい。特に若い人には、ぜひ観てもらいたい。映画・音楽・アート・社会…想いはひとつ、LOVE&PEACE」と話した。
 映画「ひろしま」12月8日(月)①14:30〜17:00 ②18:30〜21:00
 小樽市民センター(色内2)マリンホール
 入場料:一般1,000円、中・高・大学生600円、保護者同伴に限り中学生以下無料
 映画「ひろしま」小樽上映会 開催のおしらせ
 株式会社Stoic’sHP
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