小樽に新名所! "和光荘"予約制で一般公開


 大正ロマン漂うモダンな豪邸・和光荘(潮見台2)は、4月25日(土)から、有料で本格的な公開を開始する。
 見学希望者はあらかじめ予約が必要で、1組2〜5名の少人数で、おたる案内人等がガイド役を務め、解説に耳を傾けながら、モダンな和洋折衷の建築物を堪能する約1時間のコース。小樽の歴史的建造物の扉が新たに開かれた。
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 公開を前に、4月18日(土)10:00から内覧会が開かれ、おたる案内人が邸宅内の案内を行った。小樽・和光荘を保存する会の野口礼二代表(株式会社秀映社代表取締役社長)が、一般公開に至る経緯等を説明した。
 野口氏によると、3月上旬にホームページを立ち上げ、参加者の予約を呼びかけた。今後の日程や対応等を検討している。
 「見所満載で、90年前に宮大工を呼び、贅を尽くしている。見学していただくと分かると思う。蔵から当時の写真が多数見つかり、室内の絵や調度品、漆喰やシャンデリアなど所々にこだわりがある。今まで一般公開していない分見所となり、大変貴重な建物を知ってもらいたい。修繕費が嵩み、維持するのも大変。見学を有料としたのは、修繕費の協力も目的のひとつ」と話した。
 周囲の緑に映える白塗りのモダンな豪邸・和光荘は、北の誉酒造の2代目社長・野口喜一郎氏の自邸として、大正11年(1922年)に施工した木造3階建て一部鉄筋コンクリート造りの洋館である。

 アール・デコの幾何学的な装飾を基調とする洋風のデザインと、野口氏の郷里・金沢の伝統的な建築技術を取り入れた和室など、重厚な造りと気品と風格漂う佇まい。
 天井にクラシックなシャンデリア、ベンガラの赤い壁など、大正ロマンのモダニズムを色濃く匂わせている。裏に廻ると日本庭園が拡がり、敷地は約5,000坪の広さ。北海道巡幸に際し、昭和29年8月には昭和天皇夫妻の宿泊所としても利用。残り少なくなった小樽を代表する豪邸のひとつで、1994年には、小樽市の歴史的建造物に指定された。
 見学参加者は、1階事務室で受付を済ませ、本館と別館を見学。玄関にある1700年台の中国の立派な衝立や、天皇陛下が掛けられた椅子がある応接室。2階の第2ホールは、会議や食堂として使用。サンルームには噴水がある。24畳と26畳の和室に分けられる50畳の大広間。階段や廊下のステンドグラスや未公開となる50畳の仏間へ通じる通路や階段は、斜めに仕上げるなど数々の工夫を施し、贅を尽くした当時の様子を伺い知ることができる。

 見学の申込みは、見学予定日の2ヶ月前の月末までで、4月・5月の見学予約受付はすでに終了しているが、GW期間の5月2日から6日まで、1組2〜5名を4回実施し、4月末までの予約が必要となる。予約は、同HPや往復はがきで受付中。開館は月〜金曜日、9:30〜10:30・11:00〜12:00・13:00〜14:00・14:30〜15:30の1日4回で、1組2~5名。所要時間は約1時間。現在は、6月の見学を受け付けている。
 入館料は、大人1,500円・小学4年生〜18歳800円・小学3年生以下は見学不可。和光荘HPや往復はがきに、必要事項と見学希望日時を、第1と第2希望日を記入して申込む。
 和光荘HP
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