高島おばけ現る! タンクや船が奇妙な形


春の風物詩と言われる「蜃気楼」が、4月27日(月)、石狩湾で観測したとの報告が相次いだ。
小樽で毎年春から夏にかけて話題となる蜃気楼は、”高島おばけ”と呼ばれ、小樽から望む対岸の石狩湾の建物などが、バーコード型や大きく見えたり、時には縮んで見えたりする大変珍しい現象。
kamotsusen.jpg 長年の研究により、出現にはいくつかの条件がある。晴れた日で、気温が海面温度より10℃くらい高く、穏やかな南風が吹くなど、発生条件が揃わなければならず、まだまだ未解明な部分も多い。
4月1日から、小樽市総合博物館(手宮1)大鐘卓哉学芸員が管理人となる「石狩湾情報ネットワーク」により、札幌在住の気象予報士金子和馬さんが、蜃気楼発生期待度を発表し、登録者に配信。蜃気楼愛好家達には、蜃気楼観測に役立つ情報となり、今シーズンでは、期待度30%が出された14日(火)に、初観測されている。
毎年、蜃気楼を追いかけ、素晴らしい動画や画像の撮影に成功している札幌在住の柴田進さんも、27日(月)12:30頃、朝里海岸に到着し、すぐに石狩新湾の球形タング群が伸び上がる上位蜃気楼に遭遇。柴田さんにとっては、今シーズン初観測となった。
柴田さんは、「しばらく観測していると、ドリームビーチの海の家や高島岬下部の岩礁、海上に航行している貨物船なども、縦に伸び上がっているのが分かり撮影しました。毎年、私にとっては桜が咲く前に、蜃気楼を初観測できるのですが、今年は桜の咲く方が少し早かったようです。

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画像提供:柴田進氏

 また、いつものことながら、高島おばけ(=蜃気楼)は、本当におもしろい姿を見せてくれます。ぜひ小樽の人や近郊の方ばかりでなく、観光客の方にもそれを見てほしいのです。人によっては、それを見ることによって人生観が変わることもあるので楽しいです。
今回は、ややモヤがかかっていましたが、これから7月初旬にかけて、暖かく、風や波が穏やかな日に、この蜃気楼が発生しやすくなり、よりクリアに見える時があります。ぜひ、そのような日に、小樽や石狩湾岸へ出向き、蜃気楼を見に来ていただければうれしく思います」とコメントしている。
大鐘学芸員も同日11:00頃、ドリームビーチ(銭函)で、約4km離れた銭函1丁目の海岸と家並みが大きく伸び上がる状態を確認し、肉眼でも判別できる「大規模」だったと発表した。
今後7月頃まで、蜃気楼の出現の季節は続き、蜃気楼愛好家達は、毎日の天候と気温、風速や風向きなどを気にしながら「大規模」蜃気楼の出現に期待を寄せている。