小樽商大生 マカオと小樽の映像交流会


 小樽商科大学木村泰知准教授のゼミ生6名が、同じ港町の観光都市であるマカオと小樽の映像を通じて、どのように地域を盛り上げ、海外に発信していくのか、お互いの視点で語り合う、マカオと小樽の映像交流イベントが、6月3日(木)14:45から、小樽商科大学(緑3)3号館2階213AL教室で開かれた。
macao-otaru1.jpg マカオで製作した映画「June」と「氷凍的世界」の2本と、長沼里奈氏が監督を務め商大生も携わり2013年に制作した「re:design myself」とメイキング映像、木村ゼミ生制作のルタオのスイーツを紹介する作品の上映会とトークショーを通じて交流を図った。
 制作に携わったマカオ監督やプロデューサーのシーズン・ラオ氏(企画・写真家)、通訳者、長沼里菜奈氏(北海道監督)、木村准教授、同ゼミ生らがパネルディスカッションに参加した。
 カジノのイメージが強いマカオの新たな芸術・文化の側面を海外にも知ってもらうためのプロジェクトを立ち上げ、マカオの映画を北海道で広めようと「MACAU CULTURE in HokkaidoーMOVIE」の一環で、小樽の上映会となった。札幌や函館でも開かれる。
 上映会に先立ち、代表の朱佑人監督は、映画の理解を深めるためにマカオについて紹介した。「マカオはカジノが有名で、映画の制作においてもカジノの影響がある。人口は60万人で、カジノの影響で5年間で人口が20万人増え、年間3,000万人が訪れる。メジャーな映画制作会社はないが、映画の撮影に各国から訪れている。映画は趣味的に行われていたが、カジノだけの町にしたくないと、拍板視覚芸術団を設立し、政府としても短編映画制作の資金を援助しはじめた。カジノに多くの映画会社が撮影に訪れ、映画産業の発展に寄与している」と話した。
 マカオの状況を良く現し、マカオの映画産業を理解することができる「堂口故事シリーズ」の中の2編を上映した。
 「氷凍的世界」の黃婷婷監督は、「24時間シフトを組むカジノに勤めている親の子どもは、家に取り残されているケースが多い。そんな子ども達の愛情に飢え、どんな事を考えるのだろうと、社会の背景を受けてこの映画を制作した」と話した。
macao-otaru2.jpg 一方、日本の映画では、2013年に製作した長沼監督の「re:design myself」を上映した。長沼監督は、「タイトルは自分自身をデザインする意味があり、19歳から20歳になる女性が出演。多感で多面的な部分を映像で表現しようと制作した」と、メイキングビデオを上映しながら解説。小樽市役所や小樽市総合博物館構内に展示中の電車の中などで撮影した様子が映し出された。
 木村ゼミ生が制作した映像について、ゼミ生・浅賀七海さんは、小樽の魅力に触れながら、認知度が低く、効果が小さいと、現状の問題点をマカオチームに提起した。
 「小樽へ行きたくなる映像だが、ドキュメンタリーを撮るべきでは」、「小樽の物を買うとき、作っている人や生活についても知りたいと思った」、「映像を作る時に、ターゲットを考え、職人の作るシーンや食べ物のクローズアップが必要では」とアドバイスを受けた。
 同大1年・梶礼哉さんは、「映像を制作したくて、放送サークルに入会した。マカオの映像が綺麗で、小樽と似ていると感じた。今後の映画制作においてのアドバイスで、人について付け足す事を言われたのが印象的で、これからの映画制作に重要なポイントとなるのではと思った」と感想を述べた。
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