トドショーに歓声!通常最終日 おたる水族館

 おたる水族館(祝津3)は、通常営業の最終日となる11月27日(日)、雨が時折ぱらついたが、比較的おだやかな天気となり、冬期間閉鎖する海獣公園のアザラシ・ペンギン・トドのショーに、多くの家族連れやファンが集まり楽しんだ。
 同館は、通常営業を3月19日(土)から11月27日(日)までとし、3週間ほど休館して準備し、冬期営業を12月17日(土)から平成29年2月26日(日)までとしている。
 冬の海は時化る日も多く、海獣公園は来年3月中旬の通常営業まで閉鎖するため、27日の最終日は、海獣公園のセイウチショーは見納めとなり、ペンギンやトドも最後の演技に力が入り、観客から大きな拍手が贈られていた。
1127aqua1.jpg 今年の来場者数は、1月1日から11月26日まで345,798人、昨年(平成27年)の1月1日から11月末までは342,458人で、昨年より3,340人の増となり、ほぼ、昨年同様の入込数となった。
 今年度の通常営業期間を振り返ると、3月に同館の人気者セイウチのツララが鳥羽水族館へ嫁入りし、寂しさもつかの間、4月6日早朝に父親・ウチオ(26)と母親・ウーリャ(24)の子どもしずく(メス)が誕生した。
 このほかにも、6月にトドのはるお・小麦・梅太郎が誕生。6月から7月にかけてジェンツーペンギンのアラレ・あき・リオも相次いで生まれた。
 一方、バンドウイルカのトミーや、国内最高齢のゼニガタアザラシのトラ(46)、同じくゴマフアザラシのイヨ(43)や、トドのガンタロウが亡くなる悲しい出来事もあった。
1127aqua2.jpg 初めての試みとして、フンボルトペンギンの海まで遠足をスタートさせ、7月15日(金)から8月6日(土)までの金曜日と土曜日の計8日の営業時間を3時間延長し、20:00まで夜間営業を実施。イルカとトレーナーが水中で共演するショーも開始した。
 イルカスタジアム地下観覧スペースを利用して、商大生とN合同会社が主催して期間限定の”社会実験 cafe&bar PHANTOM”を営業するなど、様々な取組みを実施し注目を集めた。
 同館・角川雅俊獣医師によると、「海獣公園のペンギンショーや、トドのサケを丸ごと豪快に食べるショーなど、クローズアップされた。冬期営業では、今年生まれた3羽のペンギンが登場し、これまでの8羽から11羽の雪中散歩も楽しんでもらいたい」と話した。
 14:30から最終回のトドのショーが始まり、多くの観客が取り囲んだ。6頭のトドが、元気にショーに登場し、メインイベントの6頭一斉のダイビングも見事に決め、大きな拍手に包まれた。
 トドのもんきち・のりと・てっぺいの3頭による「鮭は飲み物」では、鮭を1本丸ごと豪快に飲み込み、観客を驚かせ、タイトルの意味を理解した。
1127aqua3.jpg 司会を務めた佐藤友美飼育員は、「夏の暑さも健康に乗り切り、トドにとっても良いシーズンだった」と話し、ショーに参加した徳山航飼育員は、「コントロールできなかった時期もあり、みんな怪我もなく無事に終わりほっとしている。11月に入り、悪天候でショーが中止になったこともあった。冬期間は、直したい所を訓練し、来年へ向けて新しい種目を練習したり、トド達と過ごす」と話した。
 越冬プールのアザラシ26頭では、本日2回目の給餌が見学できた。待ちきれないトド達は、プールを行ったり来たり落ち着かない様子を見せ、イカナゴ4樽(約60kg)が与えられると、美味しそうに食べていた。厳冬期は、アザラシの食欲も増し、油ののったイカナゴなどを与えているという。
 札幌から週2回のペースで来場している夫婦は、「最後のショーはみんなやる気満々で良かった。しずくちゃんが生まれた日にちょうど来館し、成長を楽しみにしている」と話した。
 今年来館101回目となる市内在住の安岡真裕子さんは、2009(平成21)年頃から同館に通うファンのひとり。「最初と最後は来なくてはと今日は11:00頃に来て楽しんだ。冬期営業では、やはりペンギンの散歩の中で、大人びた1歳のひな五郎や今年生まれた3羽がどうなるか楽しみ」と話した。
 冬期営業:12月17日(土)〜平成29年2月26日(日)10:00〜16:00(最終入館15:30)
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