啄木の日記を読み解く 図書館巡回展


 巡回展「ドナルド・キーン 石川啄木の日記を読み解く~最初の現代日本人~」が、5月27日(土)から6月18日(日)まで、市立小樽図書館(花園5)で始まった。
takubokudiary1.jpg 同展は、長年、啄木を研究してきた日本文学研究者で、文芸評論家のドナルド・キーン氏が、啄木の日記から読み解いた啄木像を展示するもの。同氏の自筆原稿や啄木研究に関する大型パネル、書き込みをした本など、同センターが所蔵する貴重な資料が展示されているほか、図書館が所蔵する啄木関連の書籍を一堂に展示・貸出を行っている。
 2016(平成28)年に同氏の評伝『石川啄木』の出版に合わせ、新潟県柏崎市にある公益財団法人ブルボン吉田記念財団ドナルド・キーン・センター柏崎で開催された企画展の巡回展となっており、同氏や啄木に縁のある全国7カ所の図書館で開催されている。これまで東京や釧路の図書館で展示が行われ、小樽の後は、札幌・函館・盛岡で展示が予定されている。
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 27日は、同センター学芸員で、同氏と交流のある大西慶氏が、これまでの啄木研究について評伝『石川啄木』を中心に解説し、同氏が啄木の日記を日本近代文学の1つの頂点と評価する話など、集まった約30名の市民が熱心に耳を傾けた。
 また、松ヶ枝中学校の生徒による啄木の研究発表も展示されており、啄木のキャラクターについて、中学生ならではの鋭い分析報告や小樽在住時の自宅から勤務先までの通勤路を地図にするなど、楽しく見ることができる。
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 関連事業として、6月4日(日)に、啄木の歌碑を中心に図書館から小樽駅周辺まで散策し、啄木当時の時代背景を学ぶ「第4回小樽まちかど再発見」や、6月11日(日)に「啄木を偲ぶ集い」として、小樽啄木会会員による講話などが予定されている。
 今年は、啄木が没して105年。啄木が小樽で暮らしたのはわずか115日間だが、小樽の歴史に強烈な足跡を残す啄木について、改めて学ぶことができる展示となっている。
 同展や関連事業に関する問合せは、小樽図書館(0134-22-7726)へ。
 ドナルド・キーン・センター柏崎HP