"命の大切さを学ぶ教室" 北陵中で開催


 小樽市立北陵中学校(清水町5・宮澤知校長)は、1月19日(金)5時間目道徳の時間を活用し、命の大切さを学ぶ教室を体育館で開き、1年生から3年生までの230名が参加した。
 同教室は、北海道警察本部が主催して開かれ、犯罪被害者や遺族、警察職員が講師となり、犯罪被害の実態や被害者が受ける「痛み・苦しみ」や命の大切などの理解を深め、社会全体で被害者を支えていくための取り組みとして、中高校生を対象に開催している。
0119hokuryoutyu.jpg 今回は、北海道交通事故被害者の会会員、交通事故調書の開示と公正な裁きを求める会の代表の白倉裕美子さん(空知郡南幌町在住)が、体験談をもとに語った。
 2003(平成15)年9月、当時中学3年生だった長女の美紗さんが自転車で登校途中に、トラックにはねられて死亡。今年で15年が経ち、一緒にいた時間よりも長い年月が過ぎたと当時を振り返り、今でも鮮明に覚えている事故の状況や、美紗さんが病院に運ばれた時の様子などを語った。白倉さんの声が会場に響き、生徒らは真剣に話に聞き入った。
 生きていることの素晴らしさや、家族ひとりの命が消えることがどんなに辛く悲しいか、事件事故を無くしてほしい思いを伝えようと、辛い記憶を言葉にした。
 亡くなってしまったけれど家族と一緒に生きていることを分かち合おうと、20歳の振袖姿の肖像画を描いてもらい、下ばかり見ていてはいけないと、一歩ずつ前へ進むきっかけにもなったという。
 白倉さんは、「どうすればみんなが楽しく生活できるか考えてもらいたい。この世の中を変えていくのが、今日、聞いてくれた皆さんです。”ただいま”には大きなパワーがあり、無事に帰ったことのメッセージ。平和な社会であってほしい」と命の大切さを訴えた。
 生徒会副会長の横澤優香さん(2年)は、「命の大切さを改めて知る機会となり、突然の交通事故はとても怖いと思った。冬道を通る時は、歩行者も気をつけるようにしたい。家族が亡くなったら大変だと改めて感じた」と話した。
 白倉さんは、事故が起きた3年後からこの活動を続け、昨年は30ヶ所以上で講演を行い「事故を風化させない、娘のためにも講演を続け、中高生に話すことで、社会が良い方向に変わってもらいたい」と話した。
 命の大切さを学ぶ教室について