没後85年!ガイドマップ"多喜二と小樽"完成


 小樽多喜二祭実行委員会(寺井勝夫実行委員長)は、小林多喜二没後85年の節目に、
「ガイドマップ多喜二と小樽」を完成した。
 2月14日(水)10:30から小樽市役所(花園2)2階記者室で、同ガイドマップの概要について、琴坂禎子共同代表と吉沢勝則事務局長が説明した。
 同ガイドマップの発行部数2,000部(A4サイズ8ページ)・1部100円(税込)。
takijiguide2.jpg 表紙には、旭展望台の文学碑に書かれている文面を使用。1930(昭和5)年頃、多喜二が豊多摩刑務所に収監中に、友人の村山筹子(かずこ)さんに宛てた手紙の一節で、小樽を知らない筹子さんに、多喜二が捉えた小樽を伝えている。
 没後55年にも、多喜二ゆかりの場所60ヶ所を網羅したマップと冊子を作成。前回のマップを参考に、今回は厳選した30ヶ所に絞り、マップと冊子を合体させたガイドマップが出来上がった。小樽市役所・遠藤又兵衛邸・小樽公会堂の3つを新たに加えた。
 「学びの道をたどる」「作品とともにたたかいの舞台をめぐる」「運河と倉庫」「多喜二の育った街」の大きく4つのブロックに分け、すべて多喜二に関連した場所や建物を集め、多喜二の小説から引用するなどして物語のような解説文も掲載した。
 多喜二を語るには大事な場所や外せない建物の中には、すでに取り壊されてしまったものもあり、代表作「蟹工船」の情報を得た場所となる海員会館跡(現小樽市民センター)や、海上生活者新聞跡地、1927(昭和2)年3月24日の多喜二の日記にある「悪地主磯野叫弾演説会」が開催された会場の「第三火防線仙台屋裏本願寺説教所」を記した「本願寺説教所跡地」など、小説を読む人はぜひ行ってみたい場所だ。
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 編集メンバーの1人・琴坂共同代表によると、発行に向けて、2017(平成29)年4月から企画し、10月頃からピックアップした場所30ヶ所を車で巡った。編集を繰り返して6稿目が12月に完成、発行に至った。
 同代表は、「多喜二を訪ねるだけではなく、小樽の人達にも、分かりやすく町を知ることになり中身が深い。ぜひ活用してもらいたい」と話した。
 完成したガイドマップは、多喜二祭初日18日の参加者には無料配布し、19日・20日の参加者には100円で配布。
 今後は、団体ツアーなどの資料に使用したり、希望者には100円で提供する予定。
 問合せ:080-6099-1815 大地
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