レトロの街小樽に建てたい! 樽工生設計コンペ


 一般社団法人北海道建築士事務所協会小樽支部(中野隆二支部長)主催・一般社団法人北海道建築士会小樽支部(鈴木道夫支部長)共催で、第10回小樽工業高校生による「小樽に建てたい建物」〜レトロの街小樽建物〜設計コンペを開催。
 同校建築科デザインコース3年生26名が、3年間の勉強を活かし、レトロな小樽に建てたい建物を考え発表した。
sekkeicomp1.jpg 選考委員8名による厳正なる審査の結果、最優秀賞に「手宮線運河美術館」を設計した小熊健太さんの作品が選ばれ、優秀賞1点・佳作1点・努力賞3点も決定。
 小熊さんは、過去と現在を融合した小樽市民美術館を考案。中通路に水を流し運河を連想させるなど、小樽の新たなラウンドマークを目指す建物を意識した。
 花屋をリフォームした建物やモダンな教会など全作品を、市役所(花園2)別館渡り廊下に3月9日(金)まで掲示。高校生の若い感性が漲る小樽に建てたい建物は、それぞれの想いを設計に反映させ、どれも丁寧に魅力にあふれる設計図が並び、見る人を感心させていた。
sekkeicomp2.jpg 中野支部長が、8月頃に学生へ課外授業を実施。金融資料館(旧日本銀行小樽支店)・小樽芸術村(旧三井銀行小樽支店)・旧日本郵船(株)小樽支店を訪れ、建物の説明と併せて、日本の歴史と密接な関わりがある北前船や防波堤・鉄道等の小樽の歴史を解説。
 10月頃には、同校で出前授業を実施し、小樽の成り立ちや歴史的建造物を次世代に伝えるコンセプトに合わせて授業を開いた。
 中野支部長は、「4年前からレトロな小樽に相応しい建物と条件を入れ、いつも歴史的建造物が見られる場所は他にはないことを伝えている。最優秀賞は、アングルが他とは違うところが良かった。優秀賞は、建物全体が私達が望むレトロに近かった。できる限りこのコンペを続け、歴史的建造物を次世代に伝え、観光資源はまだまだあると思う」と話した。
 孫の作品を見に来た女性は、「小樽らしい色使いで、図面もきちんと上手に書いている。どれも力作揃いです」と感心していた。
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