一般質問 小樽市議会第1回定例会


 小樽市議会(鈴木喜明議長)は、2月27日(水)、市役所(花園2)議場で一般質問を行った。共産党・小貫元、酒井隆裕、公明党・千葉美幸、立憲・市民連合・面野大輔、髙橋龍、自民党・酒井隆行、中村吉宏各議員が質問した。
 小貫議員は、自治会等のコミュニティ活動に参加することを条件として、学生の市営住宅入居を募集したり、地域貢献活動を条件とした学生向けの家賃補助を実施している他自治体の例を挙げ、市外から通う小樽商科大学の学生に市内居住を促す取り組みについて質問した。
 また、卒業後の市内居住を限定に、奨学金返還に対し補助を行う制度について、市の考えを聞いた。
 迫(はざま)俊哉市長は、公平性の観点から対象を商大生に限定することは難しいとしたが、学生・卒業生の市内居住は大事な観点であることから、様々な角度から検討を進めたいとした。
 酒井隆裕議員は、人口対策として児童館設置について質問。「子育てがしづらい」「児童館が他市と比べて少ない」といった理由で、札幌へ引っ越しを検討しているケースに言及し、市長の所感を聞いた。
 市長は、「子育てしづらいという理由で転出することは、大変重く受け止めなければならない」と考えを述べ、札幌市への転出超過に歯止めがかからないことは、大きな課題とする認識を示した。過去5年間の札幌市への転出超過は、毎年700〜1000人に上っていることも明らかにした。
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 また、児童館・児童センターの設置数が、千歳市9館・岩見沢市13館に比較して、小樽市3館の状況について、「充実しているとはいえないのではないかと考える」と述べ、児童館設置について、ニーズを踏まえながら考えていかなければならないとした。
 千葉議員は、空き店舗の利活用と起業家支援について質問した。多くの観光客が訪れているにも拘わらず、中心市街地商店街のにぎわいが感じられない状況について、市長の所見を求めた。
 市長は、「観光客を運河や堺町周辺から中心市街地へ回遊させることが課題」とする認識を示し、関係者と連携し魅力的な商店街づくりを進めるとした。
 また、中心商店街の空き店舗率は上昇しているが、市が実施する商業起業者定住促進事業や創業支援事業など、空き店舗の利活用の推進に繋がる事業の効果について、「これまで25件の活用があり、業種としても小売・飲食業が中心だが、商店街に無かった新たな商品やサービスを提供する店舗の開業もあるなど、商店街のにぎわいづくりに寄与している」といった考えを述べた。
 同議員は、起業したい人にとって出店体験が有効である考えを述べ、空き店舗を利用した潜在起業家の掘り起こしについて市長の考えを聞いた。
 市長は、一坪アンテナショップや市場内の空きスペースなど短期間の企業体験が可能な店舗があることに触れ、商店街など関係団体とも意見交換をしたいとした。
 面野議員は、ドローンの活用に対する市の見解について質問。
 市長は、物流・防災・観光分野のほか、測量・橋りょう点検などの土木分野、農作物の生育状況確認などの農林業分野、野生鳥獣の生息調査などの活用例を挙げた上で、「ITとの組み合わせや使い方次第で、多くの可能性を秘めている」といった認識を示した。
 また、災害時や有事の際の活用については、航続時間が短いなどの課題に触れ、総務省・消防庁が政令指定都市に無償供与するドローンの運用実績などの情報収集に努めていく考えを示した。
 髙橋議員は、市が未策定である「市町村地域福祉計画」(高齢者・児童・障害者の福祉を行政と住民が一体となって総合的に支え合うための計画:社会福祉事業法に規定)について、「超少子高齢化を迎えた現在、ユニバーサルな社会づくりは行政の責務」として、策定について市の考えを質問した。
 市長は、同計画の必要性や地域住民の参加の促し方・福祉関係団体等とのネットワーク構築など課題を述べた上で、策定に向けて取り組む考えを示した。策定には2年程度の期間を要するとした。
 酒井隆行議員は、石狩湾新港地域におけるクリーンエネルギーについて、石狩市が「新エネルギービジョン」や「水素戦略構想」を策定していることに触れ、小樽市のクリーンエネルギー施策に関する考えを質した。
 市長は、クリーンエネルギー推進の重要性についての認識を示した上で、地域住民の理解を得ながら、民間事業者による風力発電等の建設計画を後押しする考えを述べた。
 同地域の風力発電の進捗状況は、2018(平成30)年に計9基が稼働を開始しており、他に10基が基礎工事を終え、今年6月から風車の組み立てが始まる予定を明らかにした。
 また、洋上風力発電事業については、「環境アセスメントの最終段階である環境影響評価書を現在作成中と聞いている」とした。
 中村議員は、小樽駅前中心市街地再々開発について、グランドデザインを描くための議論の進め方など質問した。
 市長は、2019(平成31)年度に、窓口となる建設部の組織体制を強化し、開発を進めるために必要な中心市街地活性化基本計画等の策定や策定のタイミングなど、小樽駅前第1ビル周辺地区再開発準備組合や関係機関との連携と議論を深めていく考えを述べた。
 質問要旨
 H310227 本会議一般質問1(youtube)
 H310227 本会議一般質問2(youtube)
 H310227 本会議一般質問3(youtube)