大地の歴史から学ぶ地域防災 朝里中でCS講話 10月に中学生と避難所運営訓練

 朝里中学校学校運営協議会(CS)では、学校と地域が連携して地域全体の安全確保や課題解決に向けた取組を進めている。

 その一環として、松田義章先生(北海道教育大学札幌校・小樽商科大学 非常勤講師)と防災の専門家である大沼雅弘先生(北海道総合地質学研究センター会員)を招き、「CS主催地域防災講話」を開催した。当日は、地域住民や学校関係者など40名を超える参加者が朝里中学校・学校図書館に集まり、朝里地区の防災について理解を深めた。(写真・情報提供:朝里中学校)

 講話前半では、松田先生より小樽・朝里の地質や大地の歴史について話があった。朝里川扇状地は大きな礫(小石)や砂利が詰まった強固な地盤であり、一般的な軟弱地盤に比べて比較的揺れに強いという地域の強みが示された。一方で、小樽特有の急な坂道は大地の急激な隆起や陸上火山の溶岩によって形成されたものであり、自分たちが住む大地の成り立ちを知ることが防災の第一歩になると学んだ。

 質疑応答では、講話中に出てきた津波の性質(浅い場所に来ると波が高くなること)を踏まえ、参加者から「朝里の海岸でも、本当に波が高くなる可能性はあるのか」という質問が寄せられた。これに対し松田先生からは、「日本海側の地震や津波については歴史的なデータが少なく、実はほとんど分かっていないのが実情である」との説明があった。

その上で、「地形的に朝里川河口のようなV字型の湾になっている場所は、津波の高さが3倍から5倍に増幅されると言われており、その影響が上流まで及ぶ可能性がある」と説明があり、河口周辺や沿岸部での速やかな避難の重要性が共有された。

 後半では大沼先生より、朝里地区の現状と防災上の課題が提示された。地区内では高齢化が進み、1世帯あたり2人未満や高齢者のみの世帯が多くなっている。特に平日昼間は働く世代や子どもたちが不在となるため、残された高齢者や要支援者をどうサポートするかが大きな課題である。また、災害時にJRの踏切が下がりっぱなしになり避難経路が遮断されるリスクや、悪天候時に屋外の防災行政無線が家に届きにくいといった実効上の問題も挙げられた。

 こうした課題を受け、CSでは10月25日(日)に朝里中学校体育館にて、生徒と地域住民約200名が参加する合同防災訓練を実施する。訓練では、「Doはぐ」避難所運営ゲームを行い、地域住民と中学生が一緒に班をつくり、朝里中学校が避難所となった際の運営方法について学ぶ。災害発生時の昼間に地域に残る中学生が、地域住民とともに避難所運営を体験することで、互いに支え合う「共助」の意識を育てる。今後も学校運営協議会を中心に、地域全体で命を守り合うネットワークづくりを進めていく。

◎小樽市立朝里中学校(外部)

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