市都計審、賛成多数で地区計画変更を答申!(2006/8/30)

 小樽市都市計画審議会(加賀屋誠一会長)は、8月30日(水)10:00から、市役所別館3階・第2委員会室で会議を開き、市長から諮問されていた築港地区の新市立病院建設に伴う地区計画の変更と小樽駅前第3ビルの市街地再開発事業の決定をする都市計画変更につき、賛成多数で諮問を妥当とする答申をすることを決めた。

 小樽市都市計画審議会には、築港地区での新病院の建設に伴う、「小樽築港駅周辺地区地区計画の変更」と「防火地域及び準防火地域の変更」の2件と、小樽駅前第3ビルの開発に伴う「第一種市街地再開発事業の決定」と「高度利用地区の変更」の2件の計4件の案件の事項が諮問されていた。

 同審議会は、この4案件の諮問に対し、7月14日(火)と28日(金)と8月30日(水)の3回にわたり協議を重ねていた。

 しかし、築港地区の未利用地約4.4ヘクタールを、現在の「多目的交流・商業地区」から新病院を建設することができるようにする「医療・福祉関連サービス業務地区」への変更では、同審議会では、同地が埋立地のため液状化現象などで病院立地として適当かどうか、議会での陳情が継続審査中での決定の妥当性など、様々な論議が重ねられた。

 30日(水)の採決でも自民党や共産党の委員からは、継続とすべきしとの意見や、保留にすべしとの意見もあったが、賛成多数で地区計画の変更を決定した。この旨を市長に答申し、市長は都市計画審議会の諮問決定を受け、9月には都市計画の変更告示を行うこととなった。

 30日(水)の傍聴者は34人で、委員13人のうち、学識経験者の山本秀明委員は所用のため欠席した。山本委員については、ウィングベイ小樽の小樽ベイシティ開発の理事でもあり、この審議会の委員であることが適切かどうかとの疑問も出されていた。委員長を除く11人の委員がそれぞれ意見を述べた。

 「賛成意見書が少ないですが、良く考えて書いてあるように思います。反対意見は勘違いしているようにも思えます。そろそろ結論を出すべき。私はこの案件については賛成でございます」(民主・市民連合の武井義恵委員)

 「賛成、反対について随分考えさせられました。今回たくさんの人々が反対の意見書を出されていると知りました。小樽という長い発展の歴史の中で、小樽の中心地も移り変わってきている。郊外とか中心とかをどこに置くのかということも変わってきている。真ん中のものが最後まで真ん中ということはありえない。現在地から築港の方に移すということの諮問については賛成したい」(住民・野坂和弘委員)

 「市立病院の問題は大変難しい問題。反対の意見はたくさん出ていましたが、賛成の意見はない。反対した人がたくさんいるというわけではなく、意見書を出さない人は賛成なんですよ。私は賛成します」(学識経験者・藤田政昭委員)

 「私は市議会議員として、この諮問事項については賛成出来ません。賛成出来ないと同時に、この審議会が引き続き十分協議を重ねる、議会でいえば継続審査。こういう扱いが今は必要なのではないかと思います」(」(共産党・古沢勝則委員)

 「色々迷う点もありましたが、決して今の状態では交通の便は良くないと思います。それと液状化。そういった面を十分考慮していただければ賛成」(住民・三浦法子委員)

 「諮問事項に関しては適切だと考えている」(学識経験者・山本充委員)

 「諸手を上げての感じではない。非常に難しい。これからさらに協議して考えていかなければならない。継続です」(自民党・大竹秀文委員)

 「留保させて頂きたい」(学識経験者・北潟谷仁委員)

 「市立病院が2つに分かれているのは問題。市民は早く病院を建ててほしいという考え方だと思う。市民の一人として病院の設立は早急に進めるべきだと思います。賛成。」(平成会・小林栄治委員)                    

 「液状化の問題で安全性のあるということも示されましたので、この地区計画の変更などの諮問事項に同意します」(公明党・斉藤陽一良委員)

 「地区計画の変更に賛成します。選択肢を広く増やすべき。病院を建てる建てないについては、一市民としてまだ早いと思う。まだ市民を巻き込んでどういう選択が正しいのか話し合うべき」(住民・鈴木秀典委員)

 各委員の賛成・反対の意見を聴取した加賀屋誠一会長は、「結論を出して頂いたと思い、賛成が多数ある案件として採決します」と、賛成多数の採決で市長が諮問した地区計画の変更などを決定した。

 これにより、築港地区での新病院建設の都市計画法上の用件は整ったことになるが、同地区での新病院建設については、市民の間に疑問の声も強くなっている。この問題で、市民や市議会の今後の動向から目を離せない状況が続くことになりそうだ。

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