忘れられた乗組員!小樽港ふ頭生活10ヶ月!





















 「月給をもらっていない。船と乗組員は忘れられている」との看板が、小樽港第2ふ頭に停泊中の貨物船「ヤンホー号」(ボリビア船籍)の舳先に掲げられている。

 これは、昨年12月に冷凍ガニを積んで小樽港に入港した、「ヤンホー号」(1,077トン、ビクトル・シニツィン船長)の15人の乗組員が、10ヶ月間も出港出来ずにいる、異常事態の解消を求める訴え。

 ロシアのコルサコフ港から、小樽港に入港した昨年12月に、道運輸局が同船を検査しところ、救命ボートを積んでいないなど、国際条約に基づく安全基準を満たしていないとして、改善命令を出し出港を差し止めた。

 ところが、船主はこの改善命令に従わず、同船は15人の乗組員とともに10ヶ月間、小樽港第2ふ頭につながれたままになっている。

 小樽市港湾部でも、この事態に困惑しており、14日には「現在の諸問題を解決し、速やかに出港していただきたい。小樽港に停泊中は、船の保全管理を行うため、最小限の船員を船に残して、出港出来る状態にしていただきたい」とする、山田勝麿市長名の要望書を、ヤンホー号の船長に手渡した。

 しかし、「月給をもらっていない。船と乗組員は忘れられている。私の家族は貧乏暮らしをしている。公平な拘留を要求する」とする、15人の乗組員と船の行方にはまだ解決の兆しは見えてこない。