山田市政2期目の公約である「健康づくりと市立病院の統合新築」を目指す、「新市立病院基本構想」の精査・検討結果がこのほどまとまった。
小樽市では、2003(平成15)年6月に、市立小樽病院と市立小樽第2病院を統合新築する「新市立病院基本構想」を策定し、新病院建設の所要資金を、約253億と算定していた。ところが、赤字財政で破綻寸前の市の財政事情から、巨額の費用負担の見直しを迫られていた。
このため、12月1日に発表した精査・検討結果では、諸費用の見直しを行い、約69億円を減額し、新たに約184億円と算定した。これに、解体・移転経費約9.4億円を加え、合計約194億円とはじきだした。
新病院建設の所要資金約194億円の内、設計監理費約4.3億、建設工事費約136億円、システム経費約8.8億円、医療機器・備品約35億円、その他費用約9.4億円としている。この資金は、191億円を起債対象としている。借金による巨額の建設費用と利息で返済額も総額では、264億円に及ぶと試算され、一般会計の負担額も約72億円とされ、大きな負担が市民にも及ぶことになる。
この建設資金には、土地取得費は計上されず、小学校の統廃合で、廃止校とされた、現病院に隣接する量徳小での建設を予定しているが、無理に無理を重ねている市財政の好転が見込めぬ限り、着工時期のメドを立てるのも難しいのが現状で、「公約」を山田市長がどう捌くか、注目される。
小樽市医師会の意見では「小樽市の財政難、将来の人口推移などを考慮すれば、総花的病院建設は無謀と言うべきである。・・・むしろ、新市立病院の建設を中止し、現両病院を廃止し、既存の病医院に機能を委託、充実させて、市立病院の役目を代行させるべきとの意見も医師会の一部の会員にある」と付記されている。