第17回伊藤整文学賞決定!


 第17回伊藤整文学賞に、小説部門で島田雅彦氏(45)の「退廃姉妹」(文藝春秋)、評論部門で川西政明氏(64)の「武田泰淳伝」(講談社)に決まった。
 「第17回伊藤整文学賞の会」の最終選考委員会の結果発表が、5月15日(月)19:00から、小樽グランドホテルクラシックで開かれた。
 詩集「雪明りの路」や小説「若い詩人の肖像」で知られる、小樽出身の文学者・伊藤整を記念して作られた伊藤整文学賞は、伊藤整の没後20年(1989年)に創設され、小説、評論など、この一年間で発表した作品に授与される。
 伊藤整文学賞の会(新谷昌明・元小樽市長)が運営し、事務局を小樽市教育委員会に置き、主催団体は伊藤整文学賞の会、小樽市、北海道新聞社となっている。
 同賞の第1回(1990年)受賞者は、大江健三郎、秋山駿の両氏で、以後、第16回(2005年)の笙野頼子、富岡多恵子の両氏の受賞まで、錚錚たる文学者が受賞者に名を連ねている。
 第17回は4月1日を基準に前一年間に発表された文学作品の中から選ばれる。会が設けた選考委員会を東京で開催。その結果を、東京、小樽で同時に発表する。
 受賞者には正賞として、小樽市出身の日展評議委員・斎藤吉郎氏製作の「カモメ呼ぶ少女」のブロンズ像と、副賞として賞金100万円が贈呈される。
 2006年度の第17回の受賞者には、小説「退廃姉妹」の島田雅彦氏と評論「武田泰淳伝」の川西政明氏が選ばれた。
bungaku.jpg  「退廃姉妹」は、米国占領下の東京を舞台に、戦後の混乱を生き抜く姉妹を描き、米兵相手の売春で金を稼ぐ、占領下の女性の性を描いている。
  「武田泰淳伝」は、武田泰淳(1912~76)の文学と思想を解き明かしたもので、戦後派の代表作家を古典的アプローチで描いた力作。
 同会の三浦昭司事務局長は、「退廃姉妹」は 「官能的な作品なので、選考されたことに驚いている」。「武田泰淳伝」は 「順当な作品だろう」と話している。
 6月16日(金)、小樽グランドホテルで、受賞者の贈呈式が行われる。
 伊藤整文学賞の会HP